【映画 解体真書】4.「ツリー・オブ・ライフ」(2011・米)
地球の起源(生命の発露)から現代までの進化の軌跡を描く。
それに重ねるかの如くに、息子が父親を超え(成人し)人間としての第一歩を踏み出し始めることを暗喩として並行していく。
その根底には、生あるものの死ということは我々が失うことではなく、人間を超えた存在に捧げられることであり、その死はまたその生へと蘇る。
この作品には愛が貫かれている。
愛に満ち溢れ、死さえも生への賛歌として惜しみがない。
哲学の詩を映像を以て現出させる孤高の極みに在るテレンス・マリックは、必ず我々に限りなく「驚異」「希望」「愛」を垣間見せる。
テレンス・マリックの死生観は、スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」のそれに匹敵すると感じざるをえない。