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保育学科の大学生が「外国ルーツの子どもや保護者の気持ち」を疑似体験
こんにちは!
Bridge ProjectのYuikaです。
今週も保育士志望の大学生さん対象にワークショップを実施しました。
テーマは「外国ルーツの子どもやその家族の気持ちを体験する」。
なんでこのテーマ?
日本に住む外国籍の住民はもうすぐ300万人に達します。そして、国籍は関係なく、ミックスルーツの人、帰国子女など外国につながる人の数は年々増えています。そのため、教育現場で保育士や教師が外国ルーツの子どもやその保護者に接する確率はとても高い。
でも、保育学科で外国ルーツの子どもやその家族の現状を学ぶ機会がないという驚きの実態を知りました。もちろん大学によって異なると思いますが、一部の大学ではそのようです。
私は、外国ルーツの子どもやその家族が住みやすい社会をつくるため、教育の権利などの人権を守るためにも、扱うべきテーマだと思っています。
どうやって疑似体験するの?
外国ルーツの子どもの実態を説明する講演会、講義、ブログなどはたくさんあります。そして、学生さんは毎日何時間も講義を聞き、バイトにも行き、将来に不安を持ったりでいっぱいいっぱい。講義を聞いても眠くなる人が多いですよね。
だから、体で!しっかり!感じてもらう!疑似体験を用意!
といっても、見た目はただのゲーム。
種明かしになってしまうので、ここでは詳細を書きませんが、言葉が通じない、そして文化が違う(ルールが違う)環境を体験してもらいました。本人たちは、ワークショップのテーマも知らずに、とにかくゲームをしなさいと言われて、戸惑い、不安を感じていたと思います。でも、それも実生活に近い体験を再現するための仕組みなんです。
その時の学生さんの気持ちや考え、そしてこのワークの効果は、下記感想文からしっかり伝わってくると思います。
学生さんの感想は?
私は家に帰りながら感想文を読んでいたんですが、学生さんの優しい心とワークショップの効果に感動し、涙を堪えながら電車に揺られていました。
その一部をぜひ皆さんにも読んでほしい!
自分と違う文化の人と話せない環境がこんなにもストレスなんだなと思いました。外国に行った時にこういう気持ちになるのかと思うと、母国と違う国で暮らしている人は大変だし、すごいなと思いました。高校から大学とかそういった小さな環境の違いでもストレスだったり、疲れが出るのに、国が変わって言葉やルールが違うともっとストレスがあるだろうなと想像つきました。
自分自身ストレスや大変さを感じたことにより、日本に住みながらも言語が通じなく、異なる文化を持つ方々の気持ちに共感できたようです。
言葉が話せないことで、すれ違いが起こったり、理解している人もいれば、疑問を抱いている人もいたので、どうやって対処したらいいか分からなかったです。外国ルーツの子どもや保護者と接する機会があるっていうのは考えていたけど、実際に「通じない」環境をつくってみて、改めて勉強になりました。
コミュニケーションが上手くいかない、異文化間の衝突が起こっている状況での対応に困っていた学生さんも多いですが、皆なにかしらの解決法を考えていましたね。
そして、体験した後には、教育現場での事例を取り上げ、外国ルーツの子どもやその家族に接する方法を考えてみました。
例えば、外国ルーツの子どもの場合、
おもちゃやジェスチャーを使って伝える。言葉でなく遊びの1つとして伝える。歌やリズムのある遊びで楽しい気持ちを知ってもらう。そばに行って、抱きしめて安心できる場をつくる。
外国ルーツの子ども達とか言語とか文化が違う子どもがいた時、私が保育士で少しでも違和感を感じたら、様子を見て、手助けをする。味方になってあげる。
保育の場では、実際に出身地のルールや言語が違う子もいて、このゲーム(で起こったみたいに)することをやめてしまう、関わらないようにするという対応は一番だめなことだと思った。私はこのゲームをしていて、わけが分からなくてとても不安だったので、その子にあった対応を考えなければいけないと思った。
日本語が伝わらない保護者がいた場合、
そのお母さん宛に絵でお手紙をかく。
Google翻訳を使う。
やさしい日本語、簡単な日本語を使う。
ジェスチャーを使う。
そして、やっぱり大切なのは「仲間」になってあげること。
外国ルーツの子どもや保護者と接する時がくると思います。言葉が通じなくても、態度や表情、分かってあげようとする気持ちが大切で、味方だということをどれだけ相手に伝えるかが大事だと思った。
思いやりのある保育士さんになってね。💖
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私がドイツでこのゲームを体験した時の話
このゲームは、異文化間衝突を疑似体験するためのワークです。
今回は保育学科の学生さんが今後職場で経験するかもしれない異文化間衝突を取り上げました。ただ、他のシチュエーションに適応することもでます。
私が初めてこのゲームを体験したのは、ドイツのベルリンで行われた研修会でした。EU監修の10日間住み込み型研修だったのですが、テーマは「難民の現状を知ってもらうためのノンフォーマル教育のメソッド」。そして、参加者の半分が実際に戦争や迫害が原因でヨーロッパに逃れてきた方でした。
その時、このゲームはイタリア・ギリシャなどイタリア南部に到着した難民が、ドイツや北欧などの最終目的地までビザやパスポートなしで移動する道のりを再現するために使われました。
ゲームが開始してから5分。部屋の雰囲気はどんどん重たくなっていく。
そして数分すると、「こんなことやってられない」と難民当事者の人が部屋を出て行きました。不安や怒り、ストレスのフラッシュバックが起こったそうです。そこまで、実際の体験と近い感情を呼び起こすことができるゲームなんです。
このメソッドはもちろん当事者に体験してもらうものではなく、ヨーロッパで生まれ育った人に「難民はこんな気持ちになる」ということを感じてもらうためのものでした。当事者がいる場合は気を付けないといけません。
私は当事者ではありませんでしたが、自分の普段の行動を深く反省する機会になりました。
だからこそ、異文化間衝突を経験したことがない日本の学生さんには特に体験してほしいと思っています。留学する前の準備として、外国ルーツの子どもたちと接する教育現場に入る前に、外国籍の人と一緒に働く前に、ぜひ異なる言語や文化に接する時に相手がどういう気持ちなのか、自分がどう行動すればいいのか考えてほしいです。
最後に
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