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焼肉部位解説① 焼肉メニューのザブトンって何んだろう? プロが解説。肉の部位の話。輸出・インバウンドに役立つ英語中国語訳付き


さいしょに

 

15年くらい前は焼肉メニューは特上カルビ、上ロース、ハラミ、タン塩、上ミノなどというメニューが一般的でした。ところが、現在のメニューには、聞いたことのない部位名が…希少部位?として並んでいます。
例えば、リブロースやヒレであれば最高級部位であるのがすぐにお分かりでしょうが、「ザブトン」「三角バラ」「クラシタ」「とも三角」「しんしん」「いちぼ」などなどと言われると、おいしく食べているのだけどどの部分なのか分からないですよね。

食肉業界のプロからも「いったい牛のどの部分からとれる部位なのかしら?」 「英語では何と呼ぶの?」「中国の観光客からどの部位なのか聞かれて困っているので教えて欲しい」などの質問を受ける機会が多くなってきました。

もちろん食肉業界、焼肉業界の方々であれば、当然どの部位の肉かご存知の方は多いはずが、英語での名称や中国語に至ってはご存知で無い方も居られるのではないかと思います。そこで、これら小割り部位の主要なものについて、簡単に解説して行きたいと思ってNOTEを立ち上げました。

また、できるだけ小割り部位の学名についてラテン語で表記しました。学名は、欧米のパッカーの加工場で品管オフィサー(QA Office)と必要な部位や不要な部位を特定するために非常に役に立つ事を覚えて頂きたいです。 

たとえば、シンタマ(Thick Flank or Knuckle)からトモサンカク(ナックルサイド)を集めたい時に、海外パッカーの品管オフィサーにトモサンカクの筋肉学名Tensor Fasciae Lataeを書いて示せば一発でどの肉が欲しいかが分かるといった具合です。なお余談ですが、このトモ三角は米国NAMP品番185Cトライチップ(トライアングル)と同じ筋肉なのですが、カットする場所でトライチップになるかナックルサイドになるか呼称が異なってきます。

なお、解説には肋骨(リブ)の番号を用いていますが、牛の肋骨は13本あり、首に近い方から1番2番になります。そして腰に近い肋骨は13番となります。国や地域によってロースなどのカット位置が異なっていますので、それ表示する上で、肋骨の番号や本数が関係して来ます。これは個別の部位ごとに解説をしたいと思います。

肩ロース(くらした)の解説

さて今回は「クラシタ」やその小割部位の「ザブトン」などについて解説しましょう。焼肉店の方には、インバウンド向けに英語と中国語(発音付き)にしました。 食肉業界の方には筋肉そのものの学名(ラテン語)をつけました。

 カタロース
【別名】 クラシタ
【英語】 Chuck eye roll(北米・豪NZ)
中国語】上脑心(Shang4Nao3xin1)
【牛の部分】 牛の背中の筋肉、肩の部分(肋骨1-5番リブの間、関西では1-6番リブ)
【特徴】幾つかの筋肉に分かれているためスジがやや多い。肉質はきめが細かく、やわらかい。リブロースより赤みが多い。
【用途】薄切りにして しゃぶしゃぶ、すき焼き、スジを取って ステーキ。


クラシタ(肩ロース)

カタロース芯
【別名】 チャックアイログ
【英語】 Chuck eye log(北米・豪NZ)
【中国語】上脑条(Shang4Nao3Tiao2)
【牛の部分】 カタロースの中心部分の主要な筋肉
【特徴】肉質はきめが細かく、やわらかい。ややスジが多いためスジ切りが必要。
【用途】シャブシャブ、すき焼き、ステーキ


肩ロース芯(チャックアイログ)

 ザブトン
【別名】 チャックフラップ
【英語】 Chuck flap, Chuck flat, Under blade(北米)学名Serratus ventralis
【中国語】翼板(Yi4Ban3)
【牛の部分】 カタロースからチャックアイログを取ったあとの「かぶり」の部分。肩ロース芯にかぶって巻いているようにしている部分を「かぶり」といいます。
【特徴】肉質はきめが細かく、やわらかい。カタロースの中でも霜降りになりやすい。
【用途】焼肉 (ロース、カルビ)


ザブトン


 
 
2-3 ハネシタ
【別名】 チャックフラップテール、タチバラ
【英語】 116G Chuck flap tail(北米)
【中国語】翼板尾(Yi4Ban3Wei3)
【牛の部分】 ザブトンとチャックリブ(三角バラ)の間で肋骨2-4番の部分の赤身肉
【特徴】サシが入りやすく肉質はきめが細かく、やわらかい。
【用途】焼肉 (カルビ)
 


ハネシタ


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