論92.心身が声にもたらす影響と対処法〜腰痛に学ぶ(8760字)
〇老化は原因ではない
たとえば、腰痛は老化が原因だと思っている人が多いようです。しかし、腰痛が高齢になるほど多く、若い人には少ないというのならわかります。しかし、実際は、そうではないようです。
というのは、中高年あたりの人の方が多く、最初に体験する年齢も20代あたりがピークですから、老化現象とあまり関係ないと思った方がよいでしょう。むしろ、そう思うことでのメンタルとの関係が強そうです。
エイジングやメンタルに関係するヴォイストレーニングにおいては、需要が高まりつつあるのを感じます。声には、緊張が影響するからです。
私たちのところを紹介されるのは、音声クリニックのお医者さんです。メンタルとなると、心療内科医、精神科医、脳外科医などがメインですが、その辺からもいらしています。
医療ということで、私たち以上に、エビデンスを重視するような人たちに支持されているのは、ありがたいことです。
私と音声関係の専門家、医師などとのつきあいは、長くなります。
なぜなら、彼らが音声の障害で治せるところは、器質的な障害という、ポリーブ、声帯結節など、実際に症状が出ていて、明らかに発声のために障害になっているところに限るからです。
それは薬や手術などによって回復すれば、元通りになるということで、結果や効果がわかりやすいのです。簡単にいえば、怪我やできものですから、現状復帰、あたりまえに治るのです。
(ここでは、癌などや、もっと深刻な病気については触れません。)
それに対して、機能的な障害があります。これに関しては、いくら身体を調べてみても、器質面や技術的には問題がないわけです。発声器官もきちんと整っています。
ただ、それがうまく使われないということです。
「声帯の写真はきれいだから、声帯には問題ありません」といわれることが多いのです。
それでも、これまでのように声が出なくなったという場合は、メンタルの問題が大きいわけです。
最初に、私が預かっていた一般の人たちの場合は、声を大きくしたいとか、歌がうまくなりたいとか、医者が取り扱うべきではないものが多かったのです。医者も困って、私どもの研究所を紹介してくれたということです。
しかし、このあたりもグレーゾーンがとても広いわけです。
〇精神と声
声というのは、元々、精神的な影響が大きく影響するものです。ショックなことがあるだけで、声が全く出なくなることもあるのです。失声症といいます。
緊張することによっても、うまく歌えなくなったり、声そのものが出なくなることもあります。
もちろん、風邪や他の病気によって、喉そのものに異常が生じたときには、まずは休めればよいわけです。それでも、そうでない問題がたくさん隠れているのです。
そういった人たちとも幅広く接してきたことで、私は、似た症例をたくさん見つけました。
とにかく声の問題というのは、命に直接、関わらないだけに、軽視されやすいのです。そういった面では、研究や実証が進んでいないのが実状です。
声の専門家、といっても、資格もなければ、それによって就職できるようなこともないために、なおさら何を持って上達といえばよいのかがわからなくなっています。専門的に研究する人も非常に少ないわけです。
私がテキストなどを作るときに、参考にしたのは、外国語の学習方法でした。
そういう面でいうと、このメンタルとフィジカルに関することでの参考先を探したところ、いくつかの分野が見つかりました。たとえば、不定愁訴での腰痛です。
〇エビデンスのトリック
腰痛は、研究してみるとなかなか面白いものです。
大体の場合は、人類がニ本の足で直立するために、腰に負担がかかるから、腰痛は人間の宿命であるというのが、もっともらしい理論です。
しかし、そうであれば、千年くらい前からも、歴史上でこういったものが取り上げられてきたはずです。世界中で問題となっていたはずです。
しかし、腰痛に関して、患者が急増しているのは、ここ数十年間のことのようです。
日本人が体力的に弱くなったとか、スマホなどの生活習慣の変化が原因だと指摘されています。ひとつには、そういうことがあるかもしれません。しかし、少なくとも、直立2足歩行が、直接の原因ということにはならないでしょう。
私のまわりでも、鍼灸やマッサージ、カイロプラクティック、オステオパシー、整体など代替医療も盛んです。理髪店やコンビニくらいに駅の近くにもたくさんできました。
整形外科のほうに行けば、昔と違って、レントゲンからCTスキャンや MR Iと、はるかに発展しています。
医療機器や医療の技術が、これほど発達してきているのに、腰痛は増えていっているわけです。高齢化での歪みばかりが原因ではないでしょう。
〇習慣の改良
そういえば、昔、私が子供の頃は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍というような人がとても多かったようです。それが、最近は、肩こり、腰痛などが多いようです。
腰痛は、関節痛などと同じ筋骨格系疾患に入ります。循環器系疾患、悪性腫瘍、糖尿病など内分泌・代謝疾患、これらは生活習慣病ですが、それらに次いで腰痛は、第4位に、しかも医療費の伸び率が高いのです。
一方で、ここ10年くらいで、ここにいらっしゃる理由で、声の老化ということが増えてきています。声が老化してきた、老け声みたいになってきたなどです。
つまり、若いときのように声が出なくなってきた。それを元通りにしたいということです。
これに関しては、難しいことではなく、成功率100%ともいえるくらいに、ここでは確実な成果が出ています。
スポーツで例えるなら、これまで自己流で体力任せにやってきたことが、どんどんと通用しなくなってきたようなものです。
もともとスポーツ競技は、身体の力でやるものでなく、フォームという合理的な身体の使い方で行うものだったわけですから、それを習得すればよいわけです。そのための条件が、不足している筋トレやコアトレなのです。
スポーツ選手は、習得してきているのですから、そのフォームの乱れを直すことと乱れる原因である筋力低下などを補えばよいのです。あるいは、新フォームに改良という手もあるでしょう。
声も、腰痛と共通することとして、命に関わらない、致命的な病気ではない、ですから、本当の意味で医学界などでも本気では取り組まないわけです。
そういうところでは、代替医療のようなものが、やたら増えるわけです。ヴォイトレにも、いろんな分野の出自の専門家がいます。
腰痛は、放っておいても、1、2ヶ月の間に治るケースがほとんどなのですから、医者にかかると、自然に治るのを待ってくださいといわれて終わりです。痛みどめとシップで凌いでくださいということです。
もう一つ、根本的なこととして、いまだ本当の原因が解明されていないということです。原因が解明されてなければ効果的な治療法もありません。
治らないということではなく、治ったのか、そうだとしたら、治療のおかげなのか、自然治癒なのか、厳密にはわからないということです。
対処できずに慢性化している人たちも多くなっているわけです。
〇腰痛と発声障害
声においても似たことがあります。ある特定の曲のある音だけ一つが取れない、イップスのようなことも、です。
こちらも結構、大変で、身体を使うヴォイストレーニングで対処するよりは、心療内科や精神科、もしかすると、脳神経関係の専門家の方が関わるのがよいのかもしれません。
そう思ったときに、腰痛も同じなのではないかと結びつきました。
ショックなことがあって、何の障害もないのに、声が全く出なくなる。
それと身体が痛む。
これは、メンタルの問題、あるいは、神経系の問題になるわけです。
腰痛というと、大体の場合は、老化、筋力の低下、姿勢が悪い、この3つが原因だといわれています。
ですから、カバンを片側の肩にかけてはいけないとか、腰を反らせないとか、柔らかいところで寝ないとか、いろんな細かなアドバイスが飛び交っているわけです。
声のアドバイスでも、プラシーボのような効果を意図的に使っていることがあります。それはあまりよくないことですが、効果が求められるなら、何であれ手助けするのが、トレーナーの仕事です。
褒めて伸ばすとか勇気づけるとか、そういった言葉がけも、これに含まれます。治ればよい、効果が出ればよいという割り切りが必要なのが、現場です。しかし、研究は、そこからなのです。
逆にトレーナーがネガティブなワードに対して、落ち込ませることで、実力が発揮させられなくなったり、緊張させたりしてしまうこともあります。
これは、教育や指導における大きな問題となっているところです。
〇分析の限界
私のところでも、声の科学的な分析ということで、実際に出している声の声紋などの音響分析を行ってきました。
加えてもう一つ、ある一時期ですが、喉の専門家を招き、一人ひとりの喉の状態とかその形態についての分析とアドバイスをいただきました。
ただ、そういうものを知りたいと希望する人は、大体、声にコンプレックスを持っていて、そのアドバイスに含まれる否定的な要素を鵜呑みにしやすいことに困りました。
確かに喉にも発声に理想的な楽器としてのモデルはあるのかもしれません。しかし、個人個人でかなり違うところがあります。モデルと使い方、器質と機能というのなら、後者の方が大きな働きがあるのです。少なくとも、トレーニングは、そこに根ざして変えていくのですから。
スポーツの場合でも、競技によって、体格差や素質での差がありますが、それがどう有利、不利なのかは、必ずしも決まってないのです。
まして、芸術的な世界である歌や声の世界においては、何をもって理想、モデルというのかなど、まったく決まっていないのです。
解剖学的、生理学的な所見だけでは、何にもならないわけです。
他の人よりも喉のなかで、その器質が小さいとか、可動域が狭いとか、そういうエビデンスを突きつけられると、その人は、自分がうまくできないのは、それが原因だと思ってしまいます。
本人に心理的にマイナスの要素の方が大きいなら、そういうアドバイスは、適切とはいえません。そういった器質のことでは、機能的な発声にデメリットとなる問題はさほどないと、判断できることも多いからです。
「椎間板ヘルニアだから腰痛」のように理解するのと同じです。しかし、もっとひどいヘルニアでも痛みのない人もいるのです。医者も原因の説明が必要なので、こういうことをエビデンスのように取り上げ、患者もそこで納得するのです。
発声障害も、それぞれのケースに関して、薬やトレーニングメニュなどで改善ができればよいのですが、そこでの因果関係もはっきりしてはいないのです。
試してみたら、たまたま効いたような感じがする、気がするということで、進んでいくことが大半なのです。
エビデンスというのは、確かに大切なことです。身体の知識も、知らないよりは知っておいた方がよいと思います。
ただ、それを鵜呑みにしてしまって、自分でうまく利用できないようであれば、逆効果であるのなら、場合によっては知らない方がよいのです。知っても気にしないこと、無理なら忘れるようにすることでしょう。
本当に必要なのは、効果までを含めてのエビデンスなのです。☆
もちろん、トレーナーという立場では、なんであれ、一通りは勉強しておくとよいという見解です。
〇身体はイメージで捉える
たとえば、自分の身体を正確に知ること、漠然としたイメージだけでなく解剖図などで生理学的に捉えること自体は悪いことではありません。
研究所にも、たくさんの解剖図表と、それだけではわかりにくいので、医療用の模型までおいてあります。
しかし、ヴォイストレーニングのレッスンでは、滅多に使いません。
そのように認識することと、実際に声を出したり歌唱したりするということは、結びつくことではないからです。 むしろ逆効果になることの方が多いでしょう。
声は喉頭の中の声帯で出します。でも、仮に映像で声帯の形や動きを見たところで、こういう形でこう動くから、もっと、こうしてうまく使うように、というようなことはいえません。
声帯のメカニズムを勉強した後に、本人がそれを扱えるのか、どういうことができるというのでしょうか。扱いようがないのです。
それは野球の野手でいうと、この角度で、このスピードでボールが飛んでくるから、その着地点に計算して捕れというようなことかもしれません。
優れた選手は、その前に打者のスイングや音から、どこに飛んでくるかを予測して身体が動いているわけです。それは経験によってのみ可能です。自分の勘を磨いていって、つかんでいく技能なのです。
医療の分野と運動の分野は違います。運動の分野以上に芸能・芸術分野は、もっと違うわけです。科学的なエビデンスが、もっとも当てはまりにくい分野だといえるかもしれません。
〇事実と反するイメージ用語を使う
よく私が例に出すのは、人間の仕組み、たとえば、舌が多くの人が思っているよりも大きなものだということを、解剖図で確認して知ること、それ自体は悪いことではありません。しかし、それを実際の歌唱とか発声に、どのように使えるのかということです。使いようがないでしょう。
スポーツ選手などが、指導を受けるときには、正しい用語でなくイメージ言語、つまり、実際とはかけ離れたありえない言葉が投げかけられます。
バスケットであれば、「膝でシュートしろ」とか、
ピッチャーで「腕で投げるな、腰で投げろ」など。
そういうアドバイスは、生理的、あるいは力学的な正確さとは、かけ離れています。
それを実際に行なっている人にとってみれば、腕で投げるとか、力で投げるというのはあたりまえのことであって、それでうまくいかないから、逆のアドバイスが必要なわけです。
つまり、多くの分野において、動きのない図表のような生理的解剖学的な知識よりも、機能的に動いているところでの感覚の方が重要だということです。
そのときの自分の身体の捉え方というのは、決して立体模型や骨格模型のようなものではありません。動きの中での自分のイメージ感覚なのです。五感をフルに動員して捉えられたものなのです。
〇リアリティということ
たとえば、何かの作業しているときに、手の感覚、イメージというのは、すごく大きなものとなります。それは、ホムンクルス#の図のように、実際とはかけ離れたものになるのです。
そちらのイメージが持てなければ、優れた仕事ができないのです。
現実よりもイメージの世界が肝要だということです。そこでは、事実というリアルでなく、現実味、いわばリアリティが問われるのです。
ヴォイストレーニングでも、最近、こうした風潮で、やたらと科学だとか生理学だとか解剖学だといわれて、それを知らなくては、何もできないように思われてきているのは、おかしなことです。
むしろそんなことを知らないからこそ、より優れたことをやった人ばかりだったわけです。
現に正しい知識を学んだ人の中から、それを学んでない人よりも優れた人が出たというような実績はないはずです。それこそが、エビデンスでしょう。
研究者やトレーナーにとっては、こうした正確な知識は、よい勉強になるかもしれないし、自分の指導の説得力を高めることができるかもしれません。
しかし、それ以上のものではないのです。
#ホムンクルス
カナダの脳神経外科医であるウィルズ・ペンフィールドが、てんかんの手術の際に脳を電気刺激して得られた結果から描いた、脳の機能局在を示した図。
ホムンクルスとは、ラテン語で小人の意味で、人間の脳に人体の部位を当てはめ、小人に例えて脳機能を説明するために使われる。
ペンフィールドのホムンクルスは、頭部や顔、手、舌などの部位が大きく、足や胴体などの部位が小さく描かれている。これらの部位が脳の運動野や体性感覚野で占める割合が大きいため。脳の機能局在の考えは、脳の損傷による障害の理解や治療にも役立っている。
〇脳の働きと身体感覚
腰痛でも同じようなことが、よくいわれています。特に最近になっていわれるのは、「痛みは脳からくる」ということです。腰でなく、脳からくるのです。
骨が変形しているとか、椎間板がどうだとか、そういう診断を聞くと、人はそれが原因なのだと安心します。それを取り除けば治ると思うからです。
で、実際に手術してみたところで、痛みが変わらないということも起きているわけです。
第一、背骨の変形が腰痛の原因であれば、歳をとるにつれて腰痛はどんどん増えてくるはずですが、そういうわけではありません。腰の曲がったお年寄りで腰痛のない人はたくさんいます。そうでない人でも、腰痛を起こしています。
現に、私自身、ぎっくり腰になったり、腰痛が長引くときに、いくらレントゲンを撮ってみたところで症状はありません。CTで内臓を見ても原因はありません。見つかっていないかもだけかもしれませんが。
そういうときに必ずいわれるのは、「ストレス」とか、「頭を使いすぎ」とか、「交感神経優位になっていて、副交感神経に切り替わっていません」とかです。
「寝られていますか」と聞かれて、「充分、寝ています」というと、驚かれます。そして、「眠りが浅いのでしょう」といわれます。まるで想定問答です。
代替医療に行くと、背骨や骨盤のズレを指摘されます。両足が揃っていないとか。背中やお腹まわりがカチカチになっているなど、です。
整体、カイロプラクティック、オステオパシーなどで、一時的によくなったような気がしますが、その後、また元に戻ります。
これはどう考えても、姿勢とか食生活とか、生活習慣の問題だと思うのです。
それなら、そういったものを一つずつ消していくことです。
脊椎療法(脊椎マニピュレーション)なども、あります。人間の身体が左右対象ではありません。骨盤の歪みなども、個人差があるでしょう。
むしろ正確に左右対称の身体などという人は、いないでしょう。
〇イメージの強さ
身体の一部分に注意を集中し続けることで、身体感覚が増強して、自覚症状を感じます。精神交互作用というのは、森田療法で名付けられた言葉です。つまり、自己暗示です。
よく知られたものであれば、条件反射のようなもので、自分の何かの動作と腰痛が結び付けられてしまうと、実際にそれが起きることが多くなるのです。
痛みを感じてしまうのです。動作そのものが原因でなく、それで恐怖症に陥るのです。
となれば、プラシーボ効果が有効になるように、自分で使っていくのがいいと思います。もちろん、他人に対してお薦めするわけにはいきませんが、自分自身で自己暗示のように使ってみるのです。
どんなものでも、それで効果があると信じた人には、効果が出やすいわけです。プラスの方だけ覚えて、効果が出なかった、より痛くなったというようなときには、それは違うと打ち消して、記憶に残さない方がよいでしょう。多くの人は、この逆をしてしまうのです。
腰痛で安静にしているとよくないというのは、最近、常識になってきました。
<1965年、メルザックらによってゲート・コントロール学説が発表されました。背骨の中を通る脊髄に感覚の伝達を調節するゲートがあり、触覚、圧覚、振動覚などの無害な感覚は、ゲートを閉じることで、痛みとして脳に伝わらないようにする一方、有害な侵害刺激はゲートを開くことで、痛みを脳に伝えているという説です。ゲートの開閉によって感じ方や強さがコントロールされているわけです。>
〇悪いイメージから抜け出す
TENS(経皮的神経電気刺激法)も開発されました。低周波治療器として知られているものです。
慢性化する人の病歴を調べると、心身症がベースになっているようです。
それは、心理社会的要因が関与し、器質的ないし、機能的障害が認められる病態です。ただし、神経症やうつ病などの他の精神障害に伴う身体症状は除外します。つまり、心理的緊張です。
痛みの直接原因は、血流不足によって起きる酸素欠乏です。
タイプT性格がなりやすく、その特徴は、
完璧でありたい、
人に好かれたい、
見捨てられたくない、
満足したい、
強靭な肉体でありたい、
死にたくない、
など、6つの根本的欲求があります。
次のような対処の方法があげられています。
痛みを怖がらない、
少しでも動けるなら動く、
心の中にある怒りを探し出すこと、
腹を立てていることをどんな価値観も加えずに認めて受け入れること、
自分を責める必要はなく、問題を取り除く必要もない、
問題の所在、怒りの存在に、ただ気づいているだけでいいのです。
ストレスリストの作成。
〇マインドフルネスにまとまる
結局のところ、マインドフルネス、瞑想と同じですね。
心理療法は、深くて長期にわたるものとなると、失敗したときのダメージも取り返しのつかないほど大きなものになります。
ドクターショッピングも、セラピー中毒、セラピー依存症です。いつまでたっても自立することができないです。
心理療法の目的は、自分の力で問題を解決し、自分の足で人生を歩んでいけるようにすることです。
「先生が何もしてくれないので、途中から自分で治すしかないと思った」
それでよい、むしろ、それしかないと思うのも、大切なことです。
<患者が治療者に対して抱く感情は、転移です。陽性転移と陰性転移がある。
逆に治療者が抱くのは逆転移。それには気づかなくてはならない。
転移は、自分の魅力でなく、患者の過去の体験に由来するものと、フロイトは考えた。>
そこについては、確かに慧眼です。
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