2022年師走 part3 流行り病にかかる
12月21日(水)
町はまだ、重い空気。重いうえに、ふわふわしている。浮ついているというか。パトカーもかなり出回っているみたい。
いつもの直売所で野菜を買う。大根が大きすぎるので、葉っぱはないけど聖護院大根にしたら、普通の大根の葉っぱをくれた。ラッキー!
お昼は好きなうどん屋さんへ。そしてシュトレンの受け取り。
アニー・エルノーの本を読みながらコーヒーとシュトレン。シュトレン、美味しいけど、でもやはりドイツの伝統的なスタイルのが好み。
思ったこと。何を体験するか、とはつまり体験したことをどう認識するか、だ。
「甘くもなければ酸っぱくもない、すごく微妙」と言われてもらったりんご。もやは謙遜を超えているし、こんなに食べたいと思えないりんごもめずらしいし、なんでそれをくれたのか?となったが、微妙ならば、と加熱することに。グラミースミス(酸味の強いりんご)と柿と烏龍茶っぽい和紅茶で煮る。明日朝もう一度加熱して、葛でまとめて朝ごはんにしよう。
12月22日(木)
髪を切りに行く。出かける前、ピアスをつけるときに、どうにももぞっとした。美容院に着いて、いつも聞かれる「ピアス、大丈夫ですか?」に「大丈夫です」と答えながら、毎度のことながらこの質問の意味を考える。ピアスは濡れても、大丈夫。なんかの液体がついても多分大丈夫。私の方は大丈夫だけど、そちら的には大丈夫なのか?
そのまま、髪を切ってもらい、途中でアシスタントの女性がピアスのキャッチを持ってくる。これ、もしかして? そして耳にはピアスがなかった。探してくれたけど、ない。
たぶん、出てこないだろうという気がしていた。このピアスの役目は終わったというか、これが似合う自分とはちょっと変わってきている(まだ似合わない、違和感があるとかでもない)、そんな気配があった。
あの時ピアスを外していれば、と思わなくもないけれど、そういう気にならなかったのも事実。
そしてうすうす思っていた、ここの美容室ももう違うかな、というのがいよいよ、という感じ。
12月23日(金)
強風。こうなると自転車も波乗りも、素潜りもお休み。晩秋まで使っていた布団をコインランドリーに持っていて洗う。これはずっとやろうと思っていて先延ばしにしていたこと。すっきり。
八百屋さんに行き、柿の時期がもう過ぎたことを知る。そうか。残念。と思っていたら、路上で売られているのを発見。ラッキーと思って勢いで買ったけど、帰ってきて気づいた。柿はもうそんなに食べたくない。ひとつ食べてみたけど、やっぱりもうそんなに美味しいと感じない。柿の時期は終わったんだ。
12月24日(土)
自転車屋さんに年末の挨拶へ。今年、というかここ数年でものすごく大きな変化だった。自転車。
夜は、自転車、素潜りの仲間と夜ごはん。地元の食材を使ったイタリアンで。ワインはイマイチなのだけど、料理はすごくおいしい。
クリスマスなのに、街がそんなに浮かれていない。この間の事件の影響がまだあるのか。
12月25日(日)
寝室の鏡を撤去した。引っ越した当初から気になっていた、鏡の存在。鏡自体は気に入っているのでどうしようかと思っていたもの。寝ている時に自分が映るのは落ち着かないので、映らない場所に置いていたけど、それでも違和感があった。でもいよいよ。そうしたら寝室の冷たさやだだっ広さがなくなり、すごく温かみのある空間になった。うれしい。鏡はウォークインクローゼットの中に入れた。 ここをもっとちゃんと整理して、この鏡に合う空間にしよう。
12月26日(月)
白味噌をいただいた。しかも、糖分の入っていないもの。大抵のものには入っていてそれがすごく嫌な感じなのだけど、これはちがう。すごくおいしい。お正月のお雑煮に、と思ったけど、すでにお雑煮風のものをつくって食べている。お正月まで待つのが大人なのだろうけど、今、食べたいものを食べるのがしあわせ。
12月27日(火)
朝市で野菜を買ってから、下田へ。友人が下田に別荘を持ってから随分たつけれど、なんだかんだと遊びに行っていなかった。年上の友人が多く、彼もそろそろ70歳になるか。そして改めて思ったこと。成功してる人たちってチャンスを逃さない。特に人間関係。ここ、と思ったら躊躇しない。その瞬発力よ。
12月28日(水)
朝はまだ余裕だった。体調があんまりだから、ベッドで本でも読もう、と何冊かベッドサイドに用意。したけど、読む間もなくあれよあれよと発熱。日中は頭痛、水も飲みたくない。夜になって吐き気。いよいよ水すら飲めず、歩くのが辛い。これは、風邪ではないな。
動けるタイミングでどうにか猫の世話。猫はみんなベッドの上。自由に動けず、ベッドを横に使ってしのぐ。夜中、熱が下がってきて急にミニトマトが食べたくなる。普段ミニトマトって買わないけど、昨日何故か買ってみた伊藤さんの。しみる。パクパク食べる。
12月29日(木)
朝方、お腹が空く。ミニトマト、みかん、キウイ。熱は36度台。熱々のお風呂に入ったら調子がいい。病院の予約をしたけど、間違えていて結局待つ。鼻をぐりぐりされて、流行病の検査。明日朝電話で結果の連絡がある。
頼んでいたおせち、作り手がコロナ濃厚接触者でキャンセルに。紹介した友人たちに申し訳ない。どうしようかなと思っていたけどここで頼む、という感じだった。案の定、連絡したら当てにしていた、とのこと。だよね…。日にちも迫ってるし。
夜になって熱が再び出てきたけど、身体が慣れてきていて昨日の辛さはない。
12月30日(金)
朝、病院から電話で陽性ですと。やっぱりね。熱は下がっているけど、体感的には下がっている感じがない。へえ。ふつうの風邪を引いた時も、熱が下がった後が勝負、という感じだけど、これはほんとうに、データだけを信じて動いたらだめだ。
あまりに上腹部がぎゅーとなるので調整。お茶の味がわからなくなっていたけど、直後はお茶の味がちゃんとした。へえ。上腹部に力みがあると味覚がおかしくなるけど、これはその最たるものなのか。面白くなって色々調整をしてみる。身体はふつうに動けるけど、実感が薄い。この感じはなんだろう。そもそも、人って自分の実体をいかにして認識するのか。
12月31日(土)
昨日よりは味覚が戻ってきた。こんな時はネット情報だろう、と思い調べてみたらケチャップとポン酢がいいという。へえ。ケチャップ舐めてみた。たしかにおいしい。ポン酢。うちにはないけど、この間下田でうっかり大量にもらってしまった橙がある。出汁の味はわからないので、お醤油と橙。これもおいしい。へえ。煮込んであった野菜の味もよくわかる。
病気の時に、ここぞ、と世話を焼きたがる人っている。男女共に。私は体調が悪い時は放っておいてほしいし、食べ物もほぼ食べないのでそれもいらない。お粥を作ったり差し入れをしたり、というのは迷惑なのだが嬉々としてやるのはなぜなのか。
とにかく今の懸念は、冷蔵庫にたくさんある食材。差し入れよりむしろこれを持っていって欲しいのだが、なかなか通じないものだ。
年が暮れていく。年神様をお迎えすべく、何の準備もしていないが年越しをすべきかなどと考える。
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