目標(社会人の武装の仕方⑯)
目標をもつことは、具体的に動けるようになるから、いいことである、と思ってきた。
年始に目標をたてる。
読書1000冊。
語学の資格をとる。
こんな運動をする、など。
しかし、「目標とは、怖いものだよ」と、この頃知った。
もちろん、目標設定でレベルアップしてきた過去もある。
読書1000冊を目指して達成した時、私は文学的でありたいという道を歩み始められた。
語学の資格をとり、それは就職や今に生きている。
昔は部活での勝利のために、年を取ってきた今では生き延びるために、目標とする運動が必要である。
「若い頃」は、目標設定と達成が楽しい。
いろんなことが未熟だし、体力もあって、成長に必要なトレーニングの期間も短いので、自分が伸びている実感も持ちやすい。
ゲームをしていても、はじめの頃は目まぐるしく明滅してレベルアップする。
経験値で基本のレベルが上がり、戦うと武器のレベルが上がる。
魔法を使うと魔法のレベルが上がり、敵を倒すとゴールドが手に入る。
基本のレベルが上がるとできることが増え、依頼も増え、
武器のレベルが上がると敵を倒す速度が上がり、
魔法のレベルが上がると範囲や効果や、あるいは味方の異常状態を治せるようになり、ついには蘇らすこともできるようになったりする。
ゴールドが手に入ると、また新しい武器、防具、乗り物なども手に入る。
強力な仲間を雇うこともできるようになる。
けれどもだんだんと、次のレベルまでの距離は遠くなっていく。
途方もない経験値が必要。
一体何回これを繰り返さなければならないのだ。
飽きてくるし、耐久化してくる。
操作ももう脳内で自動化している。
繰り返しているだけで、自分の中で成長は感じられない。
それだけ深い森の中に入ることができるようになったのだということでもあるのだけれど。
目標を設定することは、とても大事だけど、同時にとても怖いことなんだよ、とは、この頃Voicy「聴くBooks&Apps」で聞いた言葉だ。
https://r.voicy.jp/5qmd7BAwKdP
目標を設定することは、その他の可能性をせばめること。
もう、自分には無限の可能性があるなんて思わないよね?
時間は残り少ないのだし、目標を設定することは、その他の可能性を捨てることである。
目標を設定するとストレスになる。
私は、そういうストレスに弱いほうだと思う。
ゆるゆるやって、カメの一歩で、その結果が、結局、目標らしきものに近づいていくってのは、可能だろうかモラトリアム?
倉下さんのメールマガジンに、目標で自分を責めたり傷つけたりしないために、というようなことがあった。
おそるおそる、2025年を生きている。