なんでもないけど、多分忘れない日
6月の末、
友達が「夜ごはん(すなわち🍺)」を誘ってくれました。
彼女がセッティングを自ら申し出てくれるのは、
とても珍しいことです。
すごく考えてしまう彼女、、、
あの店でもない、この店でもない、
カイトが気にいらないかもしれない、
などと考え、あげく下見までする慎重派!
以前、彼女がセッティングしてくれたお店のビールが臭くて
(ビールサーバーの洗浄が多分あまい)
「ビール、まず、、、」
の一言が、トラウマになったのだと思う、、、
それ以後、彼女みずから、
セッティングすることはなくなりました。
その彼女が、腰をあげ、セッティングしてくれたのです。
多分、会社の引っ越しで一番しんどかったときに、
偶然lineを送ってくれて、わたしの弱音を聞いてしまったからでしょう。
きっと、気分転換をかねて、
考えて、誘ってくれたのだと思います。
梅雨明けかと見まごう雨上がりの猛暑、
場所は三宮の「満園」
実は、
このお店はわたしも気になっていました。
電車の窓越しから眺めていると、ひときわ活気がある。
まるでアジアの屋台のような、
路面にテーブルがせり出し、
多くの人が楽し気に食べて飲んでいて、
にぎやか!なのです。
さぁ、わたしも、
席につくなり、何やら楽しい。
にやにやしてしまいます。
店の奥から感じる、若干のクーラーの冷気と、
真正面から感じる、夏のけだるい熱風と。
冷たいとビールと(味大丈夫)
「いんや、うま!」
と声の出る水ギョと焼き餃子。
その声を聞き、友達が心底安堵するのです。
「よかったぁ、喜んでくれて」
と。
見渡せばあっというまに満席で、1時間という時間制限もかせられました。
そして驚くことに、客層はかなり若い。
なんならわたしたちが一番ハイクラス?
というほどの。
若い子たちが席があくのを待っていたり、
奥からは市場で飲んでいるテイになったのか、
大声で話す、多分会社帰りの集団。
あまりの声の大きさに、やや驚いていると、
すかさず友達が心配してくれます。
「このお店、唯一心配やったんが、にぎやかなところ。
カイト、大丈夫かなぁと思って」
「うん、ぜんぜん大丈夫!たぶんほぼ屋外やから声が抜けてると思う!ぜんぜん大丈夫!」
「良かったぁ」
目を細めて笑う、友達とだんな。
思えば彼らは、わたしが三宮のマンションで騒音きっかけに体調を崩し、
引っ越しする際にどれだけ世話をやいてくれたか。
荷物を車で運んでくれたり、
家電を一緒に買いにいってくれたり、
とてつもないサポートを、わたしにプレセントしてくれました。
「わたし」を大切にしていないと、
「わたし」を雑に扱う人が現れる
という言葉は、みなさんよく聞かれるフレーズではないでしょうか?
わたしの場合、ずっと我慢をしていたとき、
まわりにいた人の中には、
「この子、わたしのATM!」
と、紹介されたり、
待ち合わせの時間からいつもいつも、
2~3時間待たされたり、
(わたしは待つのは拷問なんだ!
なんせレンジ一番じゃないと気がすまないですからね笑)
待たされたあげく、
作ったご飯ぜんぶ残されたり。
それでもあのとき、
実は、
本当のことを言うと、
孤独が怖くて、ひとりぼっちになるのが怖くて、
わたしを雑に扱う人でもしがみついていた気がします。
涙
でも、今は大丈夫!
リトルカイトとあーちゃんがいるし、
彼女たちとどこだって行けるし、
孤独が怖い、
なんて幻想だと思った。
幻想なんだ。
少ないけれど、この夫婦のように、
心底わたしを大切に思ってくれるリアルな友達もいる。
アーケードの中、
彼女らの後ろ姿を少し離れたところで眺めながら、
アジアの市場のようなあのお店でのことも、
てくてく歩く、アーケードの道のりも、
まとわりつく暑い空気も、
なんでもない一日だけれど、
多分今日の日は、ずっと忘れないだろうなと思った、
夏のヒトコマでした。