深夜、誰もいないイオンモールにて
僕には人知れず胸に忍ばせているささやかな夢がある。
それは深夜人っ子ひとりいない、だだっ広いショッピングモールのフロアを自分の好き放題に走り回ったり、踊ったり、エスカレーターの手すりの上をシューって降りたりすることだ。
あとアチョー!とか叫びながら、ジャッキー・チェンやリー・リンチェイの真似も絶対にやりたいな。
それから、あのベスト・キッドの鶴のポーズやマイケル・ジャクソンのムーンウォークもやらなきゃね(もちろん、ちゃんとできる自信はまったくないけど)
でも、股間に片手を当てながら
ポゥ〜!
と叫ぶヤツは割とできる自信はあるよ。
まあ、どれもおそらく実際に深夜に忍び込んで出来ないことはないのだろうけど、その後に起こる事の顛末を想像すると、やはり二の足を踏んでしまう。
つまり、僕のその大人げない一部始終は無数の監視カメラに捉えられ、あっという間に急行した夜勤の警備員に取り押さえられるだろう。
そして、何も盗んでないのに、不法侵入罪とかなんとか言われて、きっと前科者になるのだ。
でも、むしろそれだけで済めばまだラッキーな方で、その風変わりなネタにマスコミ各社が飛びついた結果、夕方のニュース番組とかで、おもしろおかしくその僕の監視カメラの映像、つまり、アラフィフおじさんが全身全霊を込めてはしゃぎ倒している姿が全国のお茶の間に流れる可能性だって大いにありうる。
N.O.T.E容疑者というテロップと一緒に、ね。
そんな風に勝手に想像した僕は、
つくづく不自由で窮屈な時代になったものだ
とひとり、月に向かって無駄吠えしているところである。
でも、このオーストラリアのバンドのPV↓を見ると、僕と同じようなアホな妄想をしている人はきっと世界中にいるんだ、と思ってなんだか嬉しくなる。
というか、この警備員のオジサンのことが今めちゃくちゃ羨ましい(笑)
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