ただキミの笑顔が見たい、それがボクの愛だ
またひとつ、息子とのかけがえのない夏の思い出が出来た。
青い空、白い雲、そして、青い海
眼前に広がるまるで子供が描く絵日記みたいにありきたりな、でも圧倒的な夏の景色を見つめながら、そんな充実感で自分の胸が満たされていくのが分かった。
そして、駅で帰りの特急券を購入していたときだった。
息子から
「お腹が空いてきたかも」
という念願の一言が聞けたのは。
そう、この日は、朝からずっと釣りをしていたのに、最近、胃腸の調子が悪い彼は梅干し入りのコンビニおにぎりひとつと焼きはまぐりしか食べれてなかったのだ。
特急の出発時間まではまだ30分あるから、
「じゃあ、なんか食べようか」
と駅前のお店を二人で探し歩いた。
どうやら彼は最初はハンバーガーを食べたかったようだったけど、店の前の看板を見るなり、
「ちょっと食べ切れる自信がないかも」
と言い始めたから、僕は駅前に停まっているキッチンカーで売っているフランクフルトを勧めてみた。
そしたら、彼が
「これなら食べれらるかも」
と言ってくれたから、それを購入してキッチンカーの前のテーブルに座って食べてもらったのだった。
彼は一口食べるなり、
「うまい」
と言ってめちゃくちゃ笑顔になった。
そして、ケチャップとマスタードでたまに味変しながら、あっという間に一本平らげてしまった。
で、明らかにまだ物足りそうな顔をしていたから、僕が
「もう一本食べる?」
と勧めると、上目遣いで
「えっ!いいの?」と彼(か、かわいい)
汽車の出発時間まではまだ15分あったから
「もちろん!」
と僕は答え、ついでに彼が飲みたそうにしていたいちごとベリーのスムージーも一緒に頼んだのだった。
そして、再び
僕が大好きな人が美味しそうに何かを食べている
という僕にとっては
世界でいちばん美しい光景
をうっとりと眺めていた。
彼は本当に大満足した様子で、まさにニマッーという言葉がぴったりな笑顔をそんな僕に見せつけてきた。
それを見た僕が、左手でOKマークをすると、息子が同じように左手でOKマークを、いや、よく見たら、その手は、キツネの形をしていた。
で、自分の左手を見てみたら、確かにそれはOKマークじゃなくて、なぜかキツネの形だった。
そんないかにもお父さんがやりそうな天然ボケに二人で笑い合う。
しかし、ふと腕時計を見るといつの間にか乗車時間まであと2分になっていた。
「や、やべえっ!行くぞ!」
僕らは釣竿やらクーラーボックスやらリュックやらたくさんの荷物を抱えて、慌てて駅に向かったのだった。
そして、ギリギリ間に合った特急電車で、僕はまた別のスペシャルな体験をすることになるのだけど、その話はまた別の機会に。
追伸
前回の記事にあたたかいコメントお寄せいただいた方々、本当にありがとうございました。ただ朝、コメントお返ししておりましたが、途中からコメント制限がかかってしまったため、一部の方へのお返事がまだできておりません。いづれお返事いたしますので、すみませんが、しばしお待ちください。