【ロッテ/ドラフト24③】(今年も)マリーンズドラフトを考察する。~1位指名予想編+α~
⚠️この記事はパート③となっております。
⇩前回記事をご覧になっていない方は是非。
① これまでの戦力確認(簡易版)
前回までに1・2軍の各ポジションごとに考察してきましたが、その結果はご覧の通り。
詳しい内容はこれまでの①,②で触れているので割愛しますが、とにかく先発課題であるという認識で間違いなさそうです。
② 直近10年のドラフト1位入札傾向
上記の表を見てわかる通り、過去10年で8度の競合入札を果たしています。
これはつまり、よほどのことがない限り”その年のNo1”に初回入札をしているというわけです。
いわゆる「競合を辞さない覚悟」を持っている球団だと言えます。
そんな世代NO1を逃さない傾向にあるマリーンズが唯一単独指名をしたのが、2014年の”中村奨吾”と2021年の”松川虎生”の2人。
2014年当時は、これまで二塁レギュラーであった井口が本格的に一塁へコンバートとなり、2013年オフに加入したL.クルーズが二塁手として63試合、遊撃で48試合(三塁で15試合)に出場し16本塁打を放ったものの、OPSは.650程度でUZRはいずれもマイナスと少々物足りない成績にとどまってしまいました。
対する遊撃には、2年連続となるフル出場を果たした鈴木大地(当時24)がOPS.730を記録しレギュラーとして定着していました。
ただバックアップの三木や大嶺といった若手は打力が皆無に等しい状況であり、二遊間の選手が充実しているとは口が裂けても言えない状況であったのも実情です。
2021年は田村が70試合・佐藤が60試合と1軍の捕手陣としてはある程度の陣容を敷けていたものの、チームに在籍している捕手(支配下)の最年少は佐藤の24歳といったように、将来性でみれば中々苦しいような状況でもありました。
さらに、2軍捕手として多くマスクを被った植田・宗接はお世辞にもいいと言えるような成績ではなく、全体的に見れば捕手陣はかなり苦しい状況に置かれていました。
といったように、どちらのケースもチーム内の足りないポジションの足りない世代に対して”的確に”追加しているということが分かります。
それがたまたま競合しなかったというだけで、根本的な考え方というのは今も昔もそこまで変わりません。
そのため、ドラフト1位の選手を考察する際には”どのポジションのどの世代が足りないか”を洗い出し、その中で最も優先度が高いポジションのNo1に入札をするという流れになるでしょう。(大体どこもそうだけどね…)
③ ドラフト1位候補
ドラフト会議2024を前にロッテのスカウト会議が行われ、その中で1位の最終候補が4名であると公表されました。
ただ、これが誰かは分かりませんがね…
これも考慮して、私自身も最終候補を挙げていきます。
(1) 金丸 夢斗(投手/左投げ/神港橘→関西大)
ドラフト1位候補の1人目はやはりこの人。
左腕から繰り出される最速154kmのフォーシームに加え、スライダー、チェンジアップ、スプリッター、カーブを操る今ドラフトの大目玉といってもいい投手です。
今年の5月中旬頃に「腰の骨挫傷」を発症したことで今秋はリリーフに専念しているものの、昨秋からの連続無失点イニングが70を超えている怪物級の左腕です。
無論、もちろん先発としての実績もとてつもなく、2年春の近大2回戦で無四球完封勝利を挙げると、その後の秋から先発の座をつかみチームの優勝に貢献すると、MVPを筆頭としたタイトルを多く獲得しています。
また、2024年3月6日と7日に京セラドームで行われた「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表」にドラフト前の大学生としては史上初めて出場し(中村優斗・西川史礁も)、2回4Kの好投を見せたことも高評価です。
もし獲得できれば間違いなく1年目からローテに食い込むことができるどころか、武内(西武)のように新人王筆頭クラスに活躍できそうな投手です。
また、チーム内の左腕エースである小島のFAが控えていることや、メルセデスの去就が不透明であること、さらに言えば左腕プロスペクトが育成枠の吉川しかいないことを加味すると狙いたいところです。
もっとも、今ドラフトでの最多競合となることが暗に想像できますが、それでも入札をする価値のある投手だと言えるでしょう。
(2)中村 優斗(右投手/愛知工業大学)
こちらは、最速160㎞のフォーシーム、スライダー、フォーク、チェンジアップ、カッターを操る今ドラフト最速右腕です。
よく球速が出る投手はコマンドが暴れていたりすることも少なくはないですが、彼に関しては4年生の春と秋合わせて四球が僅か4つという驚愕の数字を残しています。(K/BB:25.25とか見たことがない。)
これに加えて奪三振能力も優れており、プロアマの違いこそあるものの完全試合を達成した2022年の佐々木朗希のシーズン奪三振率と同等の数字を叩きました。(アマチュアではほぼ唯一無二である。)
またリリーフを務めることもありましたが、完投をした経験を持ち合わせているため先発適正がないというわけではありません。
正直、例年であれば確実に複数球団が重複するような投手ですが、金丸の陰に若干隠れているというのも実情です。
下手すれば単独(なかなか考えずらいが…)もあり得るうえ、集まっても2-3球団競合であるため、個人的には先発陣の現状を考えてしまうとこちらの選択を採る方が無難だと考えています。(とはいえ左腕も欲しいが…)
(3)石塚 裕惺(右二遊間/花咲徳栄高校)
石塚は、高校通算26発ながら右方向にも巧みに打球を飛ばすことができ、それでいて遊撃守備もまずまずのものを持っている打者です。
また高校生でありながら、どこか1人だけ大学生が混じっているようなそんな雰囲気を醸し出す選手でもあります。
また、遊撃を守っているだけあって走での貢献もある程度は見込めるというのも好材料でしょう。
ただ、遊撃守備に関しては可もなく不可もなくというような状況であるため、プロ入り後は二塁や三塁へコンバートというのが現実的なところでしょうか。
また彼は千葉県は八千代市出身であり、小学生の頃にロッテJrを経験している上で、とあるインタビューでは「好きな球団がロッテであること」を仄めかすような発言をした過去があります。
ここ数年、必ずと言ったようにロッテJr出身や地元出身の選手を指名している(2021:池田、2022:黒川、2023:早坂)だけにこれまた怪しさ満点。
また、実はロッテが高卒野手をドラフト2-3位で指名した実績は過去10年をみてもありません。もちろん入札をした過去はありますが、それでもいわゆる上位帯で指名したのは2013年の田村龍弘にまで遡ります。
つまり、高卒野手に関しては市場で最もインパクトのある選手を1位枠を使って狙うというわけです。これが今年覆される可能性も否定できませんが、やはり高校生には中軸候補になってもらいたい以上、最もその可能性が高いところに入札するという方針なのでしょう。(つまり1位)
あくまでも”過去の事例”にとどまりますが、それでも考える上では重要なポイントでしょう。
加えて、チーム状況を見てもいわゆる大砲候補が大社世代に固まっており、どちらかと言えば将来性のある高校生の長距離砲候補を狙いたいというのが実情です。(井上の引退でファームのコーナー運用が苦しくなる。)
これに加えて、地元出身となればもはや指名しない理由はないでしょう。
おそらく、ここが本命です。(推量ではなくもはや断定)
※2位以下で宇野(右内野/早稲田実業高校)という選択肢もあるけど、こちらのロッテjrという点が強すぎる。
といったわけで、以上が私のドラフト1位指名予想となります。
正直、ドラフト1位市場があまりにも潤沢すぎるために悩みの種が多いです。
ただ、どの選択をとっても意図が分かるというのも今年の特徴でしょうか。
4.おまけ
ここまで見ていただいた方に向けて、2巡目以降で狙いたい選手も一応ここに記しておきます。
これらに当てはまる選手は今ドラフトで確実に狙って欲しいところです。
※ちなみに具体名を挙げようと思いましたが、なんだか失礼な気がして止めました。お許しを、
というわけで、ここまで長いこと見ていただいた方には感謝しかありません。
ありがとうございます!
私はドラフトというものは1つの終わりでもあり、始まりでもあると思っています。
そして、それを追い、見届けることこそがドラフトの真髄だと考えています。
ドラフトは毎年開かれますが、同じドラフトは2度と存在しません。
皆さん、かけがえのない2024ドラフトを温かく見守りましょう。
というわけで、今回はここまで。
お相手は【ふじ】でした、また次回。
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