【ロッテ】2023年ロッテドラフト会議まとめ
1.今ドラフトの全体観
ドラフトお疲れ様でした。
並びに指名された選手、関係者の皆さんおめでとうございます。
というわけで、2023のドラフトも終了してしまいました。
2024の候補もしっかり追いたいと思います。
本題のドラフトでは、事前に公言のあった度会に初回入札、3球団競合の末ハズレ。
その後は、草加に入札し再度中日と競合。
細野に入札し日本ハムと競合。
結果として、ハズレハズレハズレ1位という形で上田(希)との交渉権を獲得した。
正直、ここまで重複した後にくじを外すとは思わなかった。
別に誰が悪いわけでもないが、来年は井口さんに引いていただきたい(笑)
ただ、打力課題のチームであるため上田(希)を指名できたのは不幸中の幸いであった。
もちろんポジション問題は考えなければならないが、とりあえず打力のある選手を確保できたという点はよかったと言えるだろう。
指名内訳は高校生選手が7人(育成は4人)、独立から2人(育成は1人)、大学生選手が1人であった。
そのうち、いわゆる即戦力のカテゴリーはわずか2人(上田・大谷)とだいぶ将来性に振った指名である。
正直、すぐに使える先発投手を指名してほしかったところではあるが、野手1位指名をした際のデメリットが露呈した形となった。
この点に関しては、FAやトレード、外国人で必ず補いたい。
2.各選手紹介
(1)1位指名:上田希由翔 内野手/明治大学
ロッテの1巡目指名は上田希由翔内野手。
この秋は7試合で打率.385、1本塁打、通算成績でも.320,10本塁打と好成績を収めている。
タイプ的にはアベレージを残す中距離打者タイプで、ロッテ在籍のある選手で言えば鈴木(現楽天)のようなイメージである。
守備位置は、一三塁のコーナー系なので安田・山口との守備位置の兼ね合いの問題があるものの、国際大会では左翼で出場した経験もあるため、さほど問題はないかもしれない。
加えて、肩・スローイングも良好であるため守備的な問題はそこまでないだろう。
また打撃ではインサイドの速球を強引にスタンドへ放り込む姿も見せており、将来的にはクリーンナップを任せたくなるような選手である。
ハズレとはいえ、このレベルの選手を指名できているのは今年の市場の層の厚さを物語っている。
(2)2位指名:大谷輝龍 投手/富山GRNサンダーバーズ
ロッテの2巡目指名は大谷輝龍投手。
富山GRNサンダーバーズ(以降は富山)在籍時には全て救援で登板を果たしており、14試合で13.1イニングを4失点、防御率2.70を記録したほか、セーブシチュエーションでの登板も果たしている。
タイプ的には、澤村のようなパワーピッチャーである。
そんな大谷投手の最大の魅力は最速159キロの直球と奪三振能力。
奪三振は13.1イニングで20個奪っており、救援投手に必要不可欠である奪三振能力を備えている。
それでいて与四死球率はそこまで高いわけでもなく、将来的にはセットアッパー、クローザーも目指せるほどのものを持っている。
また、ロッテお得意のフォークボールを扱う投手であるのも高評価。
正直2巡目で指名したときは驚きを隠しきれなかったが、その後椎葉(阪神2位)が指名されている点も併せて見ると、投手は投げている場所ではなく投げているボールなのだなと思い知らされた。
もちろん即戦力的な活躍を期待したいが、どちらかといえば将来的な部分も込みでの評価だと思っている。
ぜひとも戦力化したい投手の1人である。
(3)3位指名:木村優人 投手/霞ヶ浦高校
ロッテの3巡目指名は木村投手。
自身のロッテを考察する記事でも3巡目で取れたらおいしいと思っていたが、本当に実現するとは思わなかった。
そんな木村投手は、3年夏の地方大会で4試合に先発し29イニングを25奪三振、防御率2.48を記録するほか、最速も150キロを計測している。
チームは残念ながら甲子園出場を逃したものの、決勝戦は8回まで0封の好投を見せたりとエースの風格漂う選手である。
またU18日本代表にも選出され3試合に登板、合計で6イニングを11奪三振、防御率1.50を記録している。
ちなみに打力も相当なものを持っており、高校では17本塁打を放っている。
木村投手は毎度おなじみの落ちるボールを操るほか、カッターやカーブなども扱え、ゲームメイク能力も抜群。
将来的には、ロッテどころか日本のエースになっていてもおかしくない逸材であるのは間違いないだろう。
何度も言うが、3巡目では取れないかなと思っていたため、本当にいい指名になった。
よくやったロッテフロント!!
(4)4位指名:早坂響 投手/幕張総合高校
ロッテの4巡目指名は早坂投手。
3‐4位を喉から手が出るほど欲しい選手で固められているのは、最高に評価できるポイントだ。
それは置いておいて、特筆すべきはその経歴。
早坂投手と言っておいて、実は高校には捕手として入学している。
本格的に投手に転向したのは2年生の秋から、それでいて3年の夏の練習試合には151キロを計測するなど素材感あふれる投手だ。
正直、各指標だけ見るとまだまだ未完成の選手であるが、何度も言う通り投手転向からはまだ1年程度、出力の高さが何よりもの魅力で、入団後に様々な技術や基礎トレーニングなどを身につけていけば、将来大化けする可能性を秘めている。
いわゆる今年の地元枠的な選手であるが、別に地元でなくとも獲得したくなるような投手。
地元出身のフランチャイズプレイヤーになれるよう将来を期待したい投手の1人である。
ちなみに、3位で木村を指名したときには半分諦めモードであった。
指名できて本当によかった。
よくやったロッテフロント!!(2回目)
(5)5位指名:寺地隆成 捕手/明徳義塾高校
ロッテの5巡目指名は寺地捕手。
思い切りのいいスイングで振り切る打者で、捕手だけでなく一塁や三塁での出場機会も多い。
別に捕手としての能力がないとかではなく、単純に打力が高いから打撃に集中させたいというものだと思われる。
ちなみにU18では全試合で1番一塁を担当し、優勝に貢献した一面もある。
そんな寺地捕手は引っ張り方向だけでなく、広角にも強い打球を放つことができ、打力という面では素晴らしいものを持っている。
となるとアマチュア時代もそうであったが、チームには松川もいるため将来的にはコンバートということまで考えられる。
加えて、捕手にしては意外と足が速いため、場合によっては外野コンバートも視野に入れるかもしれない。
と述べたものの、まずは捕手で勝負して欲しさももある。
正直、高卒捕手は補強ポイントとは少し違うかなとも思ったが、育成の谷川をリリースしたことも含めれば、理解できなくもない。
この辺は自身の編成把握能力の欠如が露見してしまった。
(6)育成1位指名:武内涼太 投手/星稜高校
ロッテの育成1位指名は武内投手。
武内投手と言っても、高校生の方の武内だ。
そんな武内投手は制球にばらつきがあり苦戦している印象はあるものの、投げているボールは力強く、この点が改善できればプロでも大化けする可能性がある。
将来性は有望であるものの、いかに投球時のバランスを安定させられるかが課題であるだろう。
下級生時代はいいものを見せていただけに、ぜひとも制球課題を克服してエース候補に名乗りを挙げてほしい。
(7)育成2位指名:松石信八 投手/藤蔭高校
※後日、内野手で育成をすることが発表。
ロッテの育成2位指名は松石投手。
松石投手は最速152キロの速球という魅力を持っていながら、怪我などにも苦しみ多くの登板機会を得られなかった。
最速は150キロ近くを投げ込んでいるが、変化球は意外にも緩いボールが多く、その点では先発として期待したい投手だ。
ただ、こちらも制球に課題が残っているため、是非とも改善できるメソッドを探していきたい。
P.S. スカウトの指名挨拶時に、松石を内野手で育成する方針が固まっていることが明らかとなった。
球団側も、高校時代に怪我をしてしまった山口と被る部分があったことで踏み切れたと推測できる。
そんな松石は、俊足であるということしか情報がないため未知数すぎる。
ただ現状、ファームの二遊間は高卒組が多く出場しているため、二遊間育成が基本線だろう。
まっさらな状態で二遊間として育成できることは、かえって面白いかもしれない。
(8)育成3位指名:高野光海 外野手/富山GRNサンダーバーズ
ロッテの育成3位指名は高野外野手。
独立リーグからの指名だが、実は高卒から1年しか経っていないため事実上は高卒のようなものだ。
池田高校時代には通算19本のホームランを放ったものの指名漏れ、その後は富山の独立リーグに籍を移し、出場39試合で打率.324,5本を記録した。
ただ、39試合のうち1試合以外はすべて指名打者で出場しているため守備に関しては未知数ではあるものの、高校時代よりも打撃の確実性が増しているため期待したい長距離砲である。
(9)育成4位指名:藤田和樹 外野手/延岡学園高校
ロッテの育成4位指名は藤田外野手。
写真通り高校では1年生の秋頃から本格的に投手転向し最速151キロを記録したものの、投手としては思うような成績は残せていなかった。
しかしドラフト指名のポジション表記通り、野手としては高校通算30本を記録しているため、長距離砲としての期待が高い。
正直、ここまでくると未知数な部分も多いが、体が大きくなれば面白い素材である。
(10)育成5位指名:富山紘之進 捕手/会津北嶺高校
ロッテの5位指名は富山捕手。
肩の強さが目立つ捕手で、夏の福島大会では5試合で1盗塁しか許さないほどの抑止力を持っている。
加えて、春の大会では本塁打を記録していたりと、一概に守備だけというわけではない。
まずは体を大きくして、将来的には守備面からチームを支えてほしい。
ちなみに同校は創部6年目で、初めてのドラフト指名だそう。
おめでとうございます。
3.さいごに
ということで、2023ドラフトの指名選手を含めた現状の編成表は以上の通りである。
ここだけの話、「なぜ即戦力級の投手が1人だけなのだろう」とか、「高卒捕手獲得するのかー」などの疑問が拭いきれない部分もあるが、入団した選手の中から1人でも多く主力級が生まれることを期待したい。
そんなわけで、複数回にわたるドラフト記事を読んでいただいた方はありがとうございました。
これで2023ドラフトは完全終了(予定)となります。
あとはFAとか外国人補強ぐらいですねぇ、
やっぱ野球終わると寂しいなー。
まぁそんな感じで、
それではまた次回、さいなら〜