一日を振り返ることは自分の人生を生きること・News Diet
一日を振り返ることは、世界ではなく、自分の生活と人生を中心にすることです。
ニュースを消費すると、自分にとっての中心が、生活や人生から世界へと偏ってしまいます。
私たちにとって本当に重要で大切なニュースはテレビにも、新聞にも、ラジオにも、ヤフーのサイトにも、他のどのメディアにもなく、自分の生活と人生にあります。
自分にとって本当に重要なニュースは個人的なニュースではないでしょうか。
ストア派哲学にとって一日を振り返る習慣は重要な要素の一つですが、そもそも生きることは自分の生活、すなわち生にあるのだという強いメッセージがそこには込められていると思います。
哲学とは、私たちの日常の生活を中心として生きることを考えることなのではないかと思うからです。
だから、一日を振り返ると、自分の生活について多くのことがわかるし、どうしても考えさせられます。
しかし、それでいいのだと思うのです。
私たちが思索をめぐらすべきは、まず第一に自分の生活と人生についてだからです。
メディアで報じられるニュースのほとんどすべてが自分の生活と人生に全く関係がないし、コントロールの外にある出来事だからです。
あるいは、そもそも興味がない場合も多い。
私たちはメディアで報じられるニュースのほとんどすべてに全く影響を及ぼせないか、及ぼせるとしても、ほんの微々たる影響しか及ぼせない。
コントロールできる範囲は自分の日常や生活の範囲です。
そうした自分の日常や生活の範囲は、言うなれば、自分の身体のペースで動く範囲です。
私たちは(例を挙げるなら)、腸内環境を整えたり、運動したり、休息したり、遊んだり、読書をしたり、音楽を聴いたり、くつろいだり、眠ったり、料理をしたり、会話をしたり、掃除をしたり、水を飲んだり、散歩したり、瞑想したり、走ったり..…。
これらすべては自分の身体のペースに属することです。
だからこそ、身体のペースを第一に考慮し、優先させる方が、ずっと大切だと考えています。
一方で、ニュースを消費することは真逆です。
自分の身体のペースではなく、加速する社会のスピードに合わせることだからです。
身体のペースを無視して、社会のペースを優先させるとどうなるか。
それは私たちが一番わかっています。
体調が崩れます。生活のバランスや食事のバランスも崩れます。
心身のバランスも崩れます。
いいことがないのです。
しかし、現代人は社会のペースを完全に無視することは難しい。
なぜなら、人間は社会的な動物であり、仕事だってあるからです。
だとしたら、バランスを保ち、身体9・社会1くらいのバランスで生活できたら理想です(あくまで理想ですが)。
話を戻すと、ニュースを消費すればするほど、私たちの身体のペースが崩れ、社会のスピードに呑まれてしまいます。
だからこそ、ニュースダイエットの哲学が必要です。
ニュースダイエットとは、ニュースの代わりに良質な書物や長文記事を熟読することを習慣にすることで、自分の生活と身体のペースを大事にしながら、世界を理解したり、人生の質を最大化することだと私は解釈しています。
書物を熟読するとき、私たちは自分の身体のペースで読んでいます。
だから、読書をすることは身体を中心にして世界を理解することです。
繰り返しますが、私たちにとって本当に重要で優先するべきは自分の個人的なニュースだと思います。
一日を振り返るとき、私たちは自分の生活や人生を中心にしています。
自分の個人的なニュースとは、例えばこんなことです。
自分の心身の健康や体調、自分の家族の心身の健康や体調。
育てている植物やペットの体調や健康。
親しい人の心身の健康や体調。
自分のその日の歩数。食事。学習。
これら個人的なニュースのほうが、報じられるニュースのすべてよりも、1万倍、10万倍は重要だと私は考えています。
自分の個人的なニュースには、この他にも、自分の学びたいことも含まれます。
自分が本当に学びたいことは何か?
このような問いを問い続けることを人生の習慣にできたらすばらしいですね。
それこそ、自分の個人的なニュースです。
だとしたら、書店に行き、あるいは、図書館に行くことを習慣にしてもいいと思っています。
そこで出会った本が私たちにとってのニュースです。
書店に行くと、本を書いた人を知れます。
古今東西の哲学者や思想家や賢人など。
そこで出会った著者こそ、私たちにとっての有名人であり、人生の師です。
紫式部、仏陀、セネカ、エピクテトス、ガンジー、アインシュタイン、レイチェル・カーソン、老子、孔子、挙げれば数々。
人類の歴史が輩出した輝ける知性に出会えます。
現代に生きている人もいるでしょう。
そうした賢者はニュースには登場しないでしょう。
でも、だからこそ、私たちにとって日々の心の糧になってくれます。
ニュースダイエットを実践することで、自分の時間を大切にできます。
ご清聴ありがとうございました。