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だから紙の本が好きだ
書店での楽しみは、
表紙から「これは面白そう!」という本との出会い。
本なら売るほど/児島青
ここは、本と人とがもう一度出会い直す場所。
ひっつめ髪の気だるげな青年が営む古本屋「十月堂」。
店主の人柄と素敵な品ぞろえに惹かれて、今日もいろんなお客が訪れる。
本好きの常連さん、背伸びしたい年頃の女子高生、
不要な本を捨てに来る男、夫の蔵書を売りに来た未亡人。
ふと手にした一冊の本が、思わぬ縁をつないでいく――。
本を愛し、本に人生を変えられたすべての人へ贈る、珠玉のヒューマンドラマ
何の前情報もなく、という出逢い方を久々にした。
(話題の本だが、しばらくスマホ断ちしていたため知らなかった)
私の今までの人生、何に一番投資してきたかと問われたら、間違いなく「本」だ。
子供の頃、この本のように個人経営の古本屋がある街に住んでいた。
多い時は三店舗あったので、本を買うのは古本屋がメイン。
宝探しのような時間だったこと、そして古本屋特有の紙(本)の匂い、それを思い出した。
スタートがそんなだったからか、私は現在も「本は紙派」なのだ。
表紙から興味を持って購入する、その出逢いが好きだ。
装丁、紙質、帯、書体・・・
表紙はアートだと思う。
その時その時置かれた状況に合う本(アート)と目が合うのだ。
時に背中を押してくれ、時に心を癒してくれ、時には未来を創造するきっかけになり、どれほどの本の言葉に救われてきただろう。
知らない知識(言葉)に出逢うワクワクといったら!
だからリアルの書店にいる時間が好きでたまらない。
電子書籍の割合が増えてきたこの時代に、紙の本、その良さを伝えにやってきたかのような本だ。
私が購入した書店では作者さまの色紙も飾られていた。
平積みの前で色紙を見て、書籍の山に手を置き涙されているご婦人がいたのだが、作者さまに近い関係の方だったのだろうか。
そんな場面に出逢ったのも、電子書籍ではなく紙の本だったからこそ。
本と人との物語は、きっと書店のあらゆるところで起こっていて、その場面も含めて「本との出逢い」だと感じる。
だから、私は紙の本が好きなのだ。
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