ブランディングと、マーケティングと、デザインの違いは? ③
ブランディングにおいても、マーケティングにおいても、結局私たちが見て触れるそれらのアウトプットはすべて「デザインされたもの」だということをみなさん気づかれていますか?
マーケティングは製品サービスを売れるようにすること、ブランディングはブランド事業の価値を感じてもらうようにすること。そしてこの2つ活動を同じ世界観で表現することが「デザイン」です。
マーケティングとブランディングを、同じ世界観でデザインに落とし込むことで、相乗効果でブランド認知が上がり業績が上がりやすくなる仕組みを今日は説明していきます。
たとえば、マーケティングという名の島があるとします。
ブランディングという名の島も少し離れたところに離れ島として存在したとします。
マーケティング島もブランディング島も水面下では同じ地層を共有していますが、みなさんからはそれぞれ別の島としかみえていません。この水面下の地層がいわば「ブランドの本質」にあたる部分です。
同じ地層の延長ですので、当然ですが「同じ世界観」で表現をしないと、人はお互いの島が水面下でつながっているという認識が持てません。認識できないものは記憶できないため、ブランド本質の情報伝達効率は著しくわるくなります。これは当然ですが売るためのマーケティング効果にも打撃を与えます。そのため、マーケティング島とブランディング島は、同じ地層でつながってるとおしえてあげること、つまり同じ地層ですよと情報をデザインしてあげることが情報の伝達効率の視点において求めらます。
そこで何をするか。マーケティングもブランディングも人が知覚するためにはイメージや言葉、ヴィジュアルを要します。それらの手法や見せ方、業界用語でトンマナ(トーンアンドマナー)を合わせることで、同じブランドの世界観を表現していくわけです。
事例を出します。
マクドナルドは広告で緑色のイメージは出しません。赤か黄色か、あるいは黒が多いはずです。なぜならそれは自社のブランドカラーではないどころか、他社のブランドカラーでもあるからです。つまり広告主としては「マクドナルドが出している広告」と瞬時に認知できないものは避けたいわけですね。なぜなら私たちは美術館でアートを見るように、日々スキップ対象の広告を直視しないからです。
あるいは、コーヒー業界であればどうでしょうか。
ドトールなら「◯色」。
スタバなら「◯色」。
私たちはブランドをイメージするとき、それにまつわるカラーであったり、ロゴであったり、空間であったり、その企業のCEOであったり、広告媒体を思い浮かべると同時に、それにともなう感情を抱きます。それは簡単に好きか嫌いかとか、うまいかまずいか、美しいか、高いかなど、主観的な感情を抱きます。
この感情想起を誘発させるためには、
・情報源を特程できること
・ブランドの世界観をつたえること
以上が求められます。マクドナルドはマクドナルドらしさ、ブランドの本質をPR広告やブランドツールのデザインをつうじて受信者に伝えます。
つまり以上の理由から、ブランディングにおけるデザインにも、マーケティングにおけるデザインにも、人がブランド想起するためにまずは「情報の一貫性」が求められると思ってください。
一貫性のある世界観で
ブランディングとマーケティングをデザインすること
では、ここでいう「一貫性」とは何を指すかというと以下のものです。
私はこのように考えます。つまり情報の発信タイミング、発信場所、発信者の異なる度合いの応じて、ブランドの世界観の一貫性も失われやすく、そのためそれをどれだけ保てるかがブランド事業にとっての課題でしょう。
一貫性のある世界観で継続的にアプローチされた情報は、人の記憶に残りやすいため認知がされやすく、結果としてブランドの認知が広がることで、マーケティングの業績向上にもつながりやすいわけです。
今日のまとめです。
● マーケティングとブランディングを同じ世界観でデザインすること。
● 同じ世界観でデザインすることで認知と業績が上がりやすくなる。
● 同じ世界観がないと人が感情想起しにくい。
● 世界観に一貫性を失う要因は、発信タイミング、発信場所、発信者の3つにまたがっている。
では、以上のブランドの世界観を表現することにおいて、企業に必要なリソースを具体的に考えてみました。
この内容を次回説明していきます。