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数学好き必見!ゾウの体と数式の意外な関係

動物園は好きだろうか。私は好きである。
普段身近に観察することのできない珍しい動物に沢山会えるからだ。
ペンギンやカワウソは小さくて可愛いし、キリンやゾウなどの大きな動物をまじかで見る迫力は、他では味わえない。とりわけインドゾウの迫力には圧倒される。

 そして私はインドゾウを見るとつい、彼らの体の表面積を求めたくなってしまうのだ。

 じつは、この世にはインドゾウの表面積を求めるための公式が存在する。
その名も「シュリクマー関数」だ。インドの獣医学者K.P.スリークマル博士とG.ニーマラン博士の二人によって導かれた公式であり、インドゾウ(以下ゾウ)への適切な投薬量を計算するときに使用されている。

気になる面積は以下のような式で求めることができる。
S = -8.245 + 6.807H + 7.073FFC
[s=ゾウの表面積、H=肩までの高さ(身長)、FFC=前足の円周]

 この公式が導かれる前は、治療の際に誤った量の薬を投与したことによって、死亡するゾウが多かった。しかし、この式の発表以降、適切な量の薬の投与が可能になり、多くのゾウの命が救われたのだ。

 また、表面積が分かると、大変正確にゾウの健康管理が行えるようになった。体の大きさ(ここでいう表面積)を元に代謝を計算すれば、1日当たりに必要なエネルギーが求められるので、食事の管理がしやすい。

アフリカゾウは体系が違うため公式が当てはまらない。
なお、耳が小さいのがインドゾウ、耳が大きいのがアフリカゾウだ。(写真はインドゾウ)

 「ゾウの表面積を求める」という、一見クスッと笑ってしまいそうなこの公式は、2002年にイグノーベル数学賞を受賞した。インドで農民と共に働く家畜として、大切にされているインドゾウが適切な治療を受けられるようになっているのはうれしいことだ。

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