生きるための知恵を授ける『読書脳』
数か月前に書店で見かけて気になっていた『読書脳』。
『インプット大全』&『アウトプット大全』で有名な樺沢紫苑さんの本です。タイポグラフィと2色だけでここまで引き付ける表紙と、『読書脳』という気になりすぎるタイトルに惹かれて買ってきました。
新書っぽいのに堅すぎず、一気に読みました。
印象に残ったところを書いてみようと思います。
読書は人生に大切なものを全て教えてくれる
私は新しいことを学ぶときは必ず本から入ります。
予備知識がほぼ無くてまったく新しい学びの場合、まずは図書館。気になっているもの、たとえば「統計学」なら「統計」という単語で図書館蔵書検索かけて、勘で10冊近く一気に借りてみます。お金がかからないということは本にアクセスするための大きな障壁がないということ。これを活用しない手はないです。何冊借りてもただなので、中身が本当に自分の探しているものかどうか自信なくても関係ない。気兼ねなく注文できます。これを持って帰ってとりあえず目次だけ読むとか、読むまでいかなくてもパラパラめくって浅くてもいいから何かキーワードを得るとかしてみるのです。
すると知りたかった情報の基礎の基礎くらいは頭に入ってくるので、続いて調べたいものが浮かんだり芋づる式に関連情報にあたったりできる。基礎の基礎すら頭に入っていないと、何をどうやって調べればいいのかわかりませんから、「とりあえずそれっぽいものを借りて読む」というのはかなり有効です。図書館とはよくできたシステムで、「これから知っていきたいこと」を網羅的に知るはじめの一歩としては最適。司書さんがいて相談できるというのもすごく気の利いたサービスですよね。
この「新しいことを知りたいときのアプローチ」の話をすると「インターネットの方が楽じゃない?」とよく言われるのですが、これはちょっと違うと思っています。なんていうかネットの情報はもちろん役にはたつけど情報が断片的。『読書脳』の中にまさにこのことが書いてありました。同じ考えの方がいて嬉しい。読書は人生に大切なものを教えてくれる。ほんとうにそのとおりだと思います。
1冊の本とkindleを持って
まさに自分がやっている方法と同じ!
安心して読める環境があるってのは何よりの精神安定剤です。たとえ読む時間がなかったとしても、本を持っていないと寂しいんですよね。人間観察したり音楽聞いたりもいいんだけど、私はテキストを追いかけているのが好きです。今はスマホにすら電子書籍をたくさん詰め込んで出かけられる時代。紙の本の方が圧倒的に好きだけど、それでも読む本がないという地獄からの解放はとてもありがたいことです。kindle Unlimited契約をしているので、気になったものを片っ端から読んでとりあえず知識つけることもできるし、なんていい時代に生まれたんだ!と思っています。
インプットはアウトプットしてはじめて完成する
読書家の著者がどんな工夫をしながら読書をし、そこで得た情報をどうやって知識に変換していくのかが様々な角度から書かれています。インプットできるということはアウトプットを上手にしているということで、そのアウトプットの方法がこれでもかというほど紹介されているのがありがたい。隙間時間の使い方についての記述も共感するものばかりで、うなずきながら読みました。通勤時間にスマホを触るのはもったいないと思っていて、私も通勤時間は読書をすることに決めています。電車の中こそ読書に費やすべきだし、その数分間の積み重ねで1冊読み終えるのは容易。本は中断しやすい媒体だからそういう意味でも隙間時間利用はおすすめです。読みながら「気づき」や「読み返したい部分」になんらかの印をつけていけば後でもう一度読み直すこともできる。記憶の定着にうってつけです。
精神科医の著者がなぜ読書についての本を書いたのか
さらに衝撃だったのが「おわりに」で著者が語る「精神科医の自分が読書についての本を書いた本当の理由」。この理由を知ったからこそ、またこの著者の別の本も読んでみたいと思ったし、私は一生読書をやめないぞ、と強く誓いました。「おわりに」にだけでもこの値段払う価値があるとさえ思った、読んでよかった一冊でした!