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qutakuta
風景が音楽を引き立てる
先日、夜の繁華街に行かなきゃいけない用事があって行ってきたのですが、目的地に着いてバスを降りた瞬間に懐かしい曲が流れてきました。
宇多田ヒカルの『Automatic』
たまたま流れてきたその曲がネオンでキラキラ光るまちの様子とピッタリで、「え、ドラマみたい・・・」と妙に感動したのです。音楽がシーンを引き立てる、はよく聞くけど、今回のは逆で風景が音楽を引き立てる。なんとも不思議な感覚でした。
夜の暗さとそれに相対する数々のネオンサイン、行き交う人々と横断歩道の雑踏、そして秋から冬へ向かう空気感。ここに、Automatic。
『Automatic』は名曲中の名曲で、それこそ飽きるほど聴いてきた曲。飽きるほど聴いたものってのはイントロも歌い手の息遣いもベース音も全部体にしみ込んでいて、新しさは感じないのが普通でしょう。でも今回は、バスから降りた瞬間のその風景が、もう十分知っているはずの名曲を「新しいなにか」に作り替えてしまった。なんてことない風景が、聞きなれたはずの曲をまた特別なものに格上げしてしまった。こんなこともあるんだな。
今回なぜこんなにもビビっと来たのかってのも考えてみるとまた面白いなと感じます。思考せずにただボケっとバスに乗っていたらこの特別な瞬間も認識しなかったかもしれない。何気ないことだけどその何気ない日常をたまにはしっかり見て、ときに妄想したりなんかして、自分の中にいろんなストーリーをため込んでいく。そして些細なことも文字にして書き留めていく。すると思考する癖がついて、何気ない瞬間も写真のように「切り取った一瞬」として頭の中に留まる。
こうやって経験値が上がっていき、いろいろなことに気づけるようになるのかな。
人間っておもしろ。