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『バリウム検査は危ない 1000万人のリスクと600億円利権のカラクリ』読書感想文

たまには医師らしく啓蒙活動の記事を。

バリウム検査は、今の時代には合わない、胃カメラの方が早期癌の発見率もいいというのは知っていたけれど、バリウム検査の合併症については知らなかった。きっと大学のときに勉強したはずなんだけど。

この本の、Amazonレビューを読んで欲しい。大腸穿孔、人工肛門になってしまった方のレビューを読んで。こんな手術の麻酔担当になったら、自分がなったら、家族がなったら……想像すると泣きそう。

図書館で借りてきた。内容には若干憶測で書いている部分もあるようだけど、こういう本こそがジャーナリズムなんじゃないの? 今のマスコミって何やってるんだろ。


バリウム虫垂炎の緊急手術中、外科医が、バリウム検査なんでなくならないんだろう、利権でもあるんだろうなって雑談していたのが印象的だった。知らなかった。(私は麻酔担当でした)

私自身は、そういえば病院で勤務してたときはバリウム検査受けたことなくて、その後、親戚の資産管理会社で手伝いとして雇われてからはじめて健診でバリウム検査を何度か受け、結果に萎縮性胃炎と出るから重い腰を上げて近くの内科クリニックで胃カメラ検査を受けた。怖がりで慎重派なのでママ友に評判の良かったクリニックで。健診機関で誰に検査されるかもわからないのは無理。そこでピロリ菌除去治療をしてもらって毎年胃カメラ検査を受けているし、その直後にバリウム虫垂炎の麻酔担当になって事実を知ったから、健診ではバリウムは断るようになったんだけど。


協会けんぽでは、バリウム検査は必須かのような説明がなされてるのはご存知ですか。

すべて受診していただく
協会けんぽのホームページより拝借しました
全検査必須 例) バリウム検査
大阪支部のパンフレット
このQ4は、圧がかなり強いですね
同じく大阪支部のパンフレット


一方、

こちらのページ。

上記ページより拝借しました


実際には、健診機関で当日にバリウム検査は受けません、クリニックで胃カメラ受けてますと伝えたら、たぶん受けなくて済みます。健診機関によっては何か証明が必要かもしれないけど。強制はできない。でも、このパンフレットをちゃんと読んだ真面目な方は受けないと、と思うのではないでしょうか。私は憤りを感じて、協会けんぽへ抗議のメールまで送ったくらい。


funaさんの記事とてもわかりやすいのでぜひ読んで欲しい。

いつもやり取りさせていただいてる熱海たいやきさんが、バリウム検査をもうされてないと読んで安心したし、

blueさんには、バリウム検査受けなくていいんだよおおおおお!と思ってお節介にコメントしたけど、ほんとはこの記事くらいの熱量でコメントしたかったのをここで昇華しました。

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