【詩】私
素の心で
ただ歩いていただけ
道の向こうには
色んなノイズが響き渡ってて
時折
それは
人の姿となり
私の目の前に現れ
一等優しく微笑んだ
その後
豹変する
無防備な心を
偽善者だと指差す人
惑わせる情報を囁く
可愛い顔をした悪魔の嘲笑
足元には底の見えない
落とし穴
思いやる心の果実を
無造作にもぎ取る人
秘密の箱を
こじ開けて笑う人
やわらかな声で
近づいてきては
生きようとする力を
吸い取ってゆく人
息が出来ない重りを
背負わせて
潰れてしまった私を
にこやかに見ながら
軽やかに走り去ってゆく人
何度も何度も
同じ苦しみを
運んでくる人
裸足のこの足じゃ
こんな寒さに耐えきれない
歩くのを諦めた途端
言葉の刃と
無慈悲な拳銃で
私の眉間と心臓を貫いてゆく
信じ合えるという言葉とは
何処へ向かえば会える?
素のままの自分は
いつしか
硬い殻の中へ
ここでなら
これ以上
傷つかないでしょう
ここで静かに歌おう
心の中に眠らせた
もえる想いを
生まれたままの
私の声で
歌う
外側の私は
外の世界を生きる為の姿
随分
元気に生きてるらしい
殻の内側の私は
私です
もう
誰も触れることのない
誰とも話すことの無い
素のままの私です
あれから
どれくらいの
月日が経ったのかな?
殻の外を叩いたのは
誰?
この声は誰にも
届かないはずなのに
殻に触れると
ほんのりと温かい気がした
いつの日のものとも違う
包み込む様な温かさに
涙が溢れた
あなたは誰?
私は私です
人には色んなタイプがあります。
それは、「こうだ!」と
強く一括りには出来ないほど
細部に渡って違っていますが
「大体こうだ。」と
取り敢えず、まとめた時
自分は繊細で疲れやすい傾向に
あるそうです。
日々の生活のルーティンだけで
手一杯になった時
いつもと変わらない風景、人、音…等が
少々違った見え方、聴こえ方に変化してゆきます。
それを、自分はいつも
「ノイズ」
と、表現しています。
その「ノイズ」が消える一歩手前の
奥にいる自分は、すっかり臆病になっていて、それでも動かなくては…と
静かに回復の時を待っています。
表面上は、なんにもなく
元気な時と変わらず
あはは、と笑って
普通に生きているんですけど…ね。
そんな時も…あるという事で…。
この詩を綴った当時も
きっと疲れ果てていたんでしょうねぇ。
お読みくださり
ありがとうございました。