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【映画】セント・オブ・ウーマン/夢の香り【微ネタバレあり感想】
もっと早く観れば良かった
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り
お恥ずかしながら、ネトフリでおすすめされて
初めて知りました。以下、ストーリーの概要です。
人生に悲観し、ふて腐れた孤独な盲目の退役軍人が、自身もトラブルを抱え人生の選択に迫られている心優しい青年との数日間の交流を通じて、自分の人生を見つめ直し、新たな希望を見出すまでを描いたヒューマンドラマ。
2人の出会いがお互いを変える。よくある話かな、と。観始めますと、違った。
中佐の心の中の虚しさが、
脳内に直接語りかけてきました
アル・パチーノの演技力。
盲目であることを演じているだけでなく、
私がさらに胸を打たれたのは、
心の中の奥底の本心を守るために、ゴリゴリに武装して相手が攻撃してくる(相手にその意思がなくても)その前に、皮肉や暴言を吐いてしまう中佐の物の言い方を見事に表現している、
その演技力。
旅の途中、中佐の兄の家族が揃う家に突撃するのですが、そこでの空気感。
兄の家族に向かって
「おーいやめとけやめとけー」
とこちらが思ってしまうようなことを
ドドドーーっと、喋り散らかしてしまう中佐。
「おうおう、止まらんな…それは、だめだろ…」と思いながらも、
「あーこの人は…つらすぎるんだな」と
感じさせる、リアルすぎる演技。
(あの家のシーン、気まずすぎて兄の長男と同じ顔をしてた私)
でも、時々出てくるんですよね。中佐の本音が。
それがもう、なんだか、つらすぎて。
もう一つ、この映画で印象に残っているのは、
中佐の心の中の、鬱状態の表現です。
どういうものかというと、
めっちゃ楽しい!!!最高!!
ってなった数秒後に、
この世の終わりみたいな表情の中佐。
これもすごく胸を打ちました。
楽しいことに嘘はない、
幸せなことにも嘘はない。
でも、過去とか、未来とか、色々考えると、
いや、考えることもできなくなるような、
心をつぶされたような、感覚。
一時期、似たような経験したことがあって、
一緒にいた人は、
チャーリーのように、「え?」となっていました。
「さっきまであんなに…」って。
でも、そうなっちゃうんだよね、と、
中佐への感情移入がさらに深まりました。
そのあと山場が来ますが、
まだそれだけでは終わらない。
心を動かされっぱなしの157分でした。
最後に一言。
すごすぎる。観てよかった。
追伸
タンゴのあの曲聴いたら涙が出る仕様になってしまいました。あのセリフも良かったな、うん。
それでは、ありがとうございました。