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「最近の図工って、変わっちゃったよね…。」
小学校の先生で、2児の父、雄剛です。
私のクラスは低学年なので、学びのサポーターさんが関わってくれます。そのうちの一人は、私が勤務している学校で定年退職を迎え、そのまま学びのサポーターとして継続して学校に関わってくれている方。この地域を知り尽くし、そして経験豊富な大先輩です。
「最近の図工って、変わっちゃったよね…。」
現在、物語の場面をイメージして、それを描いていく単元をしているのですが、先日はまずは背景から作っていきました。まずは、その場面をイメージしながら、背景をどんな色にしたらその場面にふさわしい雰囲気が出るかを考えます。それが決まったら、いよいよ背景を絵の具で塗っていきます。
ここで、背景をグラデーションに仕上げる方法がありますよね。まずは絵の具を付け、水を多めにして画用紙の一番上に端から端まで横に一本線を引く。そしたらちょっと水を付けて、また横に一本。そしたらまた水を付けて、横に一本。これを繰り返すと、上は濃く、そしてだんだん透明に近くなり、きれいなグラデーションが仕上がります。空や海の中を表現する時に使うといいやり方です。
その指導をしているところを見ていた大先輩とした話…。
「最近、こういうふうに、やり方を指導することってなくなっちゃったね。最近の図工は、変わっちゃった…。」
「そうかもしれないですね。そう言われてみると、『自由に発想を広げよう!』っていう単元が多いかもしれないですね。…というか、ほとんどそうですね。」
「中学校ではさ、どんどんデッサンとかやっているんだよ。だけど、最近小学校では、そういうやり方を教えていない…。中学校とのギャップができないか心配なんだよね。」
「確かに…。昔と比べて、顔の描き方とか、手の描き方とか詳しいやり方を教える機会ってないですよね。かろうじて6年生で遠近法をやったり、絵の具や彫刻刀みたいな道具の使い方くらいしか教えていないかもしれないですね…。」
「図工って、これでいいのかな?」
『型ができていない者が芝居をすると型なしになる。』
型ができてない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。
型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。
どうだ、わかるか?難しすぎるか。
結論を言えば型をつくるには稽古しかないんだ・
ー立川談志
そんなことを考えている時に、ちょうどこの言葉に出会いました。
図工にも型がありますよね。基本となるやり方です。顔の描き方。身体の描き方、バランス。背景の描き方。…。
これらを知った上で、「じゃあこの作品では、このやり方を使ってみよう!」「これを使ったら、うまくいくんじゃないか?試してみよう!」となればいいのですが…。今の図工は、自由すぎて、考える材料となる型もなく、作品はなんとも言えない仕上がりに…。
図工に造詣の深い方、教えてください…
今の考え方は、「型は中学校からやればいい!だから、小学校のうちは型なんか気にしないでとにかく自由な発想を大切にすればいいんだー!」ということなんでしょうか?それとも、私が教えるべきことを教えていないだけで、本来小学校のうちから型は教えているでしょうか?
誰か、教えてください!