歴史の学習と卒業式はつながっている?
小学校の先生で、2児の父、雄剛です。
皆さんは、「なぜ古文を勉強しないといけないのか」と問われたらどう答えますか?
これって、古文だけではないですよね?
・算数でいえば、足し算、引き算、掛け算、わり算は使うとして、実生活に分数の掛け算、割り算を使うことがあるでしょうか?
・社会で政治についての知識は必要として、歴史は実生活に必要でしょうか?
子どもにしたら、普段の生活を送る中で必要感はないですよね。
でも、意外なところでつながっている!
先日、卒業式に向けた練習を始めたときのこと。
最近、「note」や「X」でも、儀式としてみんなで礼を揃えたり、動きを揃えたりする練習に何時間も取って何度も何度も繰り返させることになんの意味があるんだ!という意見が見られました。
私は半分賛成で、半分反対です。まず、必要以上に繰り返す必要はないというのには賛成です。完璧に、軍隊のような綺麗さは必要ない…。
でも、儀式として厳粛な雰囲気を味わう経験やそれにふさわしいきれいな形、統一感はなくしてはいけないと思います。
なぜか…。
それが日本の文化だからです。
「これから卒業式の練習を始めていくけど、練習の中では、礼の仕方や座り方、証書のもらい方など、決まった形を覚えて、揃える練習をします。
その練習をしていくうちに、なんでこんなことを何度も繰り返して練習しているんだろうと疑問に思う人も出てくるだろうから先に話しておくね。
みんなは歴史の勉強をしたね。千利休は知っているかな?
そう、簡単にいうと茶の湯を極めた人だね。茶の湯には、いろんな決まった形があるのは学習したね。徹底的に無駄は排除して、洗練された美しいもの、動きだけを残して、伝えていった。これは、能や狂言も一緒だね。無駄を省いて洗練された動きを追求して、いまだに伝統として受け継いでいる。
日本人はこういう、無駄のない洗練された動きを追求して、伝えてきた。みんな神社に行ったら2回礼して、2回拍手してから拝む。あれもそうだし、お葬式のお焼香もそうだね。
これは日本の文化なんです。それが卒業式のような儀式にも残っているんだね。だから、日本人としてそういう文化に触れてもらうためにもみんなにはきれいな型を覚えてもらうよ!」
子どもたちは、歴史が好きな子を中心に「なるほど…」という表情で聞いていました。
歴史を知り、日本の文化を知ると、見方が変わる!
こんなふうに、なんの意味があるかわからない礼儀作法も、歴史や日本の文化を知っていると大切なものに感じられますよね。
予備校講師の吉野先生がおっしゃるとおり、「知識があるからこそ深く考えることができる!」「知識がつながって深まっていく。」。
勝手に日常生活で使わないから必要ない…ではなく、たくさんの知識を身につけていくことが、やっぱり大切なんだなと実感しました。
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