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先生から主体性を奪うと、子どもの主体性もなくなる…

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

私の勤務している地域には、あるプロジェクトがありまして…。それは算数のプロジェクト。先頭に立って研究を進めてきた算数の先生たちが集まり、毎時間のパワーポイントを作成。それを使って授業をすれば、「地域のどの先生がやっても同じ授業を行えて、地域の全ての子どもたちが一定の水準をクリアした授業を受けることができる!」。そんなプロジェクトです。

皆さんだったら、どうでしょう?「それいいなぁ!」と思いますか?

プロジェクトのメリット!

①単元の流れを意識して作られているので、1時間1時間の授業の抑えどころをとらえている。
個人で進めていると、1時間を成り立たせることを優先し、単元の流れに目がいかないことも。単元の後半になって、「あ~、これ前の時間で子どもたちから考えが出てきたから扱ったけど、ここで1時間かけて学習する内容だったか…」なんてことがありますよね。そういうところが既に織り込まれて単元の流れをしっかり意識して作られているところがいいです。

②図形や立体の学習で真価を発揮!
パワーポイントで作るよさ。それは、図形や立体を視覚的に説明することができること。図形や立体って、頭の中で思い描ける子は得意ですが、それができない子にはとても難しいですよね。例えば展開図。この立体の展開図は・・・?となったときに、立体から展開図に切り開くことができるアニメーションがあったら、イメージしやすいですよね。でも、そんなアニメーションを各担任が一人一人作る時間なんてありません。でも、このプロジェクトのパワーポイントにはそれが入っていて、地域の先生がそれを共有することができます。

プロジェクトの最大のデメリット…

「先生の主体性がなくなると、子どもたちの主体性もなくなる…」

このプロジェクトで起こりがちな事態は、
「パワーポイントが既に準備されているんだから、この通りやればいいや…。」
確かに、このパワーポイント通りに進めれば、1時間の授業が成立するように作られているので、なんとかなります。でも、その結果生まれるのは、主体性がない先生と、それに引っ張られて主体性がない子どもたちの姿なんです。

▲先生が、抑えどころを理解していないから、どこを大切にし、何を考えさせ、どう引き出すかが意識できない…
自分で授業をする時には、そこを中心に教材研究やシミュレーションをしますよね。それをせずに授業に臨めば、パワーポイントの言われるがまま。そうなれば、子どもたちだって、意思をもたずに、パワーポイントに従った先生の指示を受けて、ただ言われるがままにやるべきことをこなすだけ…。

▲先生が子どもたちの反応や理解の具合に対応できない…
自分で授業を考えるなら、そこに子どもたちの姿がありますよね。クラスの状況的に、どんな形で進めていくことがより理解できるのか…?こういう投げかけをしたら、どの子がどんな反応を示すのか?算数が苦手なあの子は、ついてこられるのか?算数が得意なあの子を暇させないように集中させるにはどんな手立てが必要か?そんな意思が全くなければ、子どもたちがいきいき活動するわけがないですよね。

だから、私はこのプロジェクトの授業をするときは、そのスライドの内容を自分のものにするために、自分だけで授業をするよりも倍以上の時間をかけてシミュレーションをしてから臨みました。大変だった…。

先生の主体性がなければ、子どもたちの主体性もなくなる…

これは、算数に限ったことではないですよね。
学年主任としていろんな先生と学年を組んできました。学級経営に苦しむ先生の共通点は、「先生に主体性がないこと」。

・授業は、指導書を一読して終わり…
・自分から質問して、よりよくしていこうとしない…
・全ての活動で学年主任から何か出てくるのを待っている…

逆に、若くても学級経営が上手くいっている先生は、この正反対のことをしています。

こんなことを考えている時に、ちょうどエンチャント先生の記事を読ませていただいてとても共感しました。

主体性、大切にしたいですね!



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