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ミスノート…

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

ここ10年くらいでしょうか。自ら学ぶ力を育むために、自主学習の力を入れている学校が多いですよね。

自主学習といえば、大きく分けて2つの取り組み方があるのかなと思います。
①自分に必要な学習を選択して行う!
 予習、復習なんかが多いですよね。このパターンでは、けっこうドリルを購入して取り組む子が多いのではないでしょうか?

②興味関心のあることを調べる!
 小学生のうちに、こういう自ら深める学習とても重要だなと思います。

ここから自分で選択し、学習に取り組んでいきます。私の勤務校では、高学年は宿題はなく、全て自主学習です。

ミスノート…

これは、以前あった自主学習です。ノートの表紙にどんと大きく書いてありました。どんな内容か分かりますか?

勘のいい方なら分かりますよね。これは、自分がミスした問題を、もう一度解き直すノートです。

これって、定着ということを考えた時、とても大事ですよね。学校でもよくやります。
・テストの間違いを直して、100点にして返す
・宿題の間違いを確実に直させる

でも、なんか違和感…

私はなんか引っかかってしまったんですよね。取り組みとしては悪くない。この子は、塾に通っていて、一生懸命勉強している。「僕には、勉強ができるくらいしか、取り柄がない…。」と自分で言うほどに。だからこそ、間違えた問題は徹底的に復習して、同じ間違いをしないようにすることで力を付ける…。

取り組みは悪くないとすれば、原因は他にある…。考えてみて、はっと気付きました。

ネーミングとその根底にある考え方だと…。

マイナスに着目した取り組み方

これって、短所をなくすことで成長しようという考え方と一緒ですよね。自分の「できない」に着目して、それを「できる」に変えていく…。大切な取り組み方ではあるのですが、ここに特化していくのはどこか後ろ向きな感じがしますよね。それがよく表れているのがネーミングだと思います。

点数を取ることで、家族が喜んでくれる…

この取り組みの根底には、こういう考え方がある気がします。低学年の頃からずっと塾に通っていたその子。生活面ではルールを守ったり、感情をコントロールするスキルが低く、学校からしょっちゅう家に連絡があったとか。
「得意な勉強で点数を取れば家族が喜んでくれる!点数さえ取れば…。」
時にその気持ちが行き過ぎて、漢字50問テストで隣の子の解答をチラッと見ようとしてしまうことも…。

点数に特化すると、学びが捻れる…

「テストが何点か…?」おうちの方は、けっこう気にする方もいますよね。先生でも、平均点がどれくらいか…?ということを気にする人がいると思います。

点数は確かに学習の定着度をはかる1つの指標になります。ゲーム感覚で点数を取るそんな楽しみ方もあるのかもしれません。でも、点数を重視しすぎると、学びがただの作業になってしまいますよね。ミスに着目して、とにかくそれを潰していく、点数を取るための作業…。学びは受験のための作業…。

正しい知識観

こんなことを考えている時に、眼鏡先生のこの記事と出会いました。「正しい知識観」「誤った知識観」というのが、まさにドンピシャだなと思いました。

この子は、普段の授業はなかなかぼーっとして参加できません。こういう子にこそ、学ぶ楽しさを感じてもられるように力を付けないと!


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