『このペンを俺に売ってみろ!』
小学校の先生で、2児の父、雄剛です。
最近、だいぶ古い映画ですが『ウルフ・オブ・ウォールストリート』という映画を観ました。この映画は、レオナルド・ディカプリオ主演のウォール街を舞台にしたある男の物語。ディカプリオ演じるジョーダン・ベルフォートの半生を描いているのですが、お金、ドラッグ、女性に溺れてぶっとんでるんですよね。
『このペンを俺に売ってみろ!』
これは、映画の中で出てくる言葉です。
ディカプリオ演じるジョーダン・ベルフォートが自分の持っているペンを相手に渡して、『これを俺に売ってみろ!』って言うんです。皆さんなら、どんなふうにして売りますか?
映画の最後の場面は、主人公が講演会を開いていました。そして、聴衆一人一人に『このペンを俺に売ってみろ!』と投げかけていきます。
「このペンはとても書きやすくて…」
「このペンの素晴らしいところは…」
こんな答えにニヤッとする主人公。おそらくこれは、分かっていないんでしょうね。
ヒントは映画の序盤にありました。会社を立ち上げる仲間を集める主人公が仲間に同じ質問をします。
「このペンを俺に売ってみろ!」
「そこのナプキンに名前を書け!ほら、ペンがいるだろ!このペンを売ってやる!」
このやりとりに、重要なことが詰まっているんでしょうね。物を買ってもらうためには、「その物がどれだけ素晴らしいものか?」ではなく、「その物をどれだけ必要としているのか?」「買った先にどんなメリットがあるのか?」ということが大事なのだということがよくわかります。
個人懇談で…
先日、個人懇談がありました。私は個人懇談の際には、いろんな資料を用意します。まずは、学習について。テストを集計し、チャート化したもの。(どこが得意分野で、苦手はどこかが見える化できる)ノート、ワークシート、作品…。具体物用意して、それを見ながら話せるようにしています。もう1つは、生活面について。これは、生活についてのアンケート(人間関係や学校生活満足度、自分の頑張りと課題がわかるもの)と、友達といいところを書き合う活動で書いてもらった用紙を用意します。これくらい用意しておくと、子どもたちの普段の様子を伝えるには充分かなと思います。
でも、『このペンを俺に売ってみろ!』の教訓から考えると、これでいいのかなと…。今の頑張りを伝えるだけで終わっていいのでしょうか?なんかもっと大きな見方が必要な気がしてきたんです。
保護者と育てたい方向性を共有する!
保護者、そして子どもたち一人ひとりに「こういう人に育ってほしい!」「こうなりたい!」という想いがありますよね。そういう大きな視点を共有することが大切な気がします。先生と保護者で、立場の違いからアプローチが一致しないとしても、大きな方向性の中で、今どの段階にいるのか…。これからの課題はなんなのか?それを共有する場していくことが大事なのかなと思うんです。
保護者としては、そこまで考えていない場合もありますよね。そしたら、潜在的な想いを引き出すのがプロの仕事。これができれば、何かトラブルや問題があっても、保護者と敵対するのではなく、同じ方向を向いて対処できると思うんです。
正直、理想だけど難しいですよね。でも、年度始めと前期末にある2回の個人懇談を上手にデザインして、それができたら保護者との関係は大きく変わるのかなと思っています。