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意外なところで、人はつながる…

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

「学校って何かしてくれるんですか?」

私の20年近い教員人生の中でも、トップ3に入る衝撃の一言です。

この言葉は、私が初任の時の4月…。家庭訪問に行った時のことでした。初めての家庭訪問、そして、保護者対応ということでとても緊張していたのを覚えています。4月の家庭訪問って、保護者からしたら「うちの子の先生、どんな人?」という視点で見ていますよね。なんか様子を見られているなぁというのを感じながらも、時間に遅れることだけはしないように…なんていろいろなことを考えながら家を回っていました。慣れないながらもなんとかあと数軒…というところまできた時に、その瞬間はやってきました。

家のインターフォンを押すと、保護者の方が出てきました。私は笑顔を作ります。でも、その保護者は完全に不信感が露わな表情…。

「○○小学校の雄剛と申します。家庭訪問でうかがいました。はじめまして。よろしくお願いします。」
「・・・」
「~~さんのことをいろいろと教えて頂いて、これからの学校生活に生かしていきたいと思っているのですが…、~~さんの  。」
「学校って何かしてくれるんですか?」
「いや、できる限りのことは…。」
「何ができるんですか?」
「・・・。」

いや~、初任の私にはきつかったですね。この言葉にどう返してよいか分からず、しどろもどろになりながら「とりあえず全力で頑張りますので…」みたいな話をしたような、しなかったような…。その後ははっきりと覚えていません。今だったら、「何か学校で嫌な思いをされたことがあるんですか?」なんていう問いかけでお話してもらって、逆に信頼関係を築くきっかけを作るなんていうこともできたかな?

意外なところで、人はつながる…

当時結婚前だった妻との会話。
「職場になんでもずばずばいう先輩がいてさぁ…。上司でも、後輩でも、思ったことを全て言う人なんだよね。そんな感じだから周りからは煙たがられているんだけど…。でも、仕事は超絶できる!言ってることも、めちゃくちゃ正論だから、誰も何も言えないし、一目置かれているんだよね…。」
「へえ、そんな人ってやっぱりいるんだね。そういえば、保護者で同じ職場の人がけっこういたような気がするなぁ。ちなみに、名前なんていうの?」
「○○さん。」
「○○さん!?」
「けっこう細身じゃない?」
「あぁ、そうだね。目がきりっとした美人な顔をしているね。」
「まさか…。」
そう、なんと妻と同じ職場で、しかも同じ部署。

妻曰く
「私は尊敬してる!だって、ずばずば言うけど、何一つ間違ったことは言っていないし、本当に悪気はないんだよ。思ったことを、そのまま口にしているだけ。超絶仕事ができるし。間違ったことは指摘されるけど、あの人がいてくれるから、みんながおかしいと思っても上司に言えないことを代弁してくれる。ああいう存在って、組織には貴重だよね。」

同じ人を見ているのに、立場や見方が変われば評価は全く違うもんだなぁ…

その後、その保護者の方とは、2年間関わることになりました。家庭訪問や個人懇談のたびにちょっとピリピリしたのを覚えています。でも、卒業担任として卒業まで見届けた後、「2年間、ありがとうございました。」と声を掛けてくれた時には嬉しかった。

人は意外なところでつながっていること…
立場や見方が変われば、評価は180度変わること…

ここから、いろんなことを学ばせてもらいました。



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