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おれたちローリングストーンズ
私の友人に転職を繰り返している男がいる。ひどい時には毎月のように仕事を変えており、会うたびに違う仕事をしていた。もう転職自体を生業にしてんのかというレベルである。
この友人は「さすがにひとつの職場でもう少し頑張らないといけないとは思っている」と言っているが、ハタから見ているともはや転職中毒、転職依存症のように見える。わかっているけどやめられない、私の飲酒と同じではなかろうか。私も禁酒、減酒をしようとは思いながらも、ついつい毎晩酩酊するまで飲んでしまうのでよくわかる。友人の脳は転職に快楽を覚えて依存し、しばらく転職をしないと手が震えてくるのだろう。
おそらく友人もいけないとは思いつつ、「1件だけ」と言い訳しながら求人を見てしまうのだ。当然1件で済むわけもなく、2件3件とハシゴをして、ベロベロになりながら履歴書を作成し、千鳥足で面接会場に向かっていく。
そう考えると私も気を付けねばならない。ある晩浴びるように酒を飲み、翌朝気付いたらまったく知らない会社に転職していた、ということにもなりかねないのだ。