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残煙


久しぶりの1人の夜は
とても広くて静かだった
前は返事のあった言葉も
いまはぜんぶ独り言

一緒に過ごした時間の分
僕の中に君がいる
1人ぼっちの生活に
君との思い出だけが残って

久しぶりに吸う煙草
前は「吸わないでって」
君が言うから
君との約束だったから

夜に吐いた煙は
風に乗ってどこかへ行って
残された自分の体が
ひどく重たいものに思えた

もう嫌がる君はいないのに
こうやって後ろめたく煙草吸ってるのは
まだ君の存在が抜けてかないから


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