004 脳をリラックスさせて良い休息を
2021.8.5発行
私たちは、朝起きてから仕事をして寝るまで、「もっと早く、もっと多く、もっと効率的に」と生産性を高める為に、車で例えれば「アクセル」を踏みっぱなしの状態ではないでしょうか。
しかし、車には必ず「ブレーキ」がついています。「ブレーキ」は「アクセル」と同等か、それ以上に大切な機能です。
そう聞くと、「家ではボーッとしているよ」「ドラマ見ながらダラダラしているから大丈夫!」と考える方も多いと思います、が。。。
デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network:DMN)
DMNとは、ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動のことで、近年の脳科学研究により、危険を察知して回避できたり、「創造性」と関係していたりすることがわかっています。
簡単に言えば「脳のアイドリング」のようなもので、「ぼんやりできる場所では、いいアイデアが生まれやすい」という経験は、どなたにもあるのではないでしょうか。
一方、DMNの活発化には、「考えすぎ」による脳疲労のデメリットも。
私たちは1日に平均で6万〜7万回の思考を繰り返すと言われています。DMNは脳の総エネルギーの60~80%を占める「大食漢」。
「あのとき、ああしておけばよかった」と、なんとなく漠然と不安になり眠れないなど、ネガティブな思考の反復、いわゆる「ぐるぐる思考(反芻(はんすう)思考:rumination)」をしている状態です。
つまり、何もしていなくても脳は勝手に働いていて、どんどん疲れを感じやすくなっているのです。
では、過剰に活性化されているDMNの働きを適度に抑える=「ブレーキ」を踏んで緩めてあげるには、どうしたら良いでしょう。
マインドフルネス瞑想の基本 「呼吸瞑想」のススメ
生活リズムを整え、精神的にもリラックスできる時間=「マインドフルネス瞑想」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
脳のアイドリング状態を、一つの事に意識を向けることで、しっかりブレーキを踏む=DMNを低下させていくことにつながります。それにより脳を休め、心身のストレスを解きほぐして、明日のパフォーマンスを上げる効果が期待出来ます。
では、呼吸を観察する瞑想を実際にやってみましょう。
1)3つのステップ:
①調身 姿勢を調える→②調息 呼吸を整える→③調心 心を整える
1.座って、背筋を伸ばし、姿勢を整えます。
2.呼吸を整えながら、深呼吸を2〜3度行いましょう。
3.目を閉じ、ゆっくりと鼻呼吸を始めてみましょう。
4.呼吸に意識を向け、お腹がふくらんだり、へこんだりしていく動きを観察してみましょう。
5.雑念が湧いた時は、素直にそれを感じて受け入れ、再び今この瞬間に意識を向け、瞑想を続けてください。
6. 5分〜20分程度行ったら、ゆっくりと目を開き、少しずつ意識を戻していきましょう。
2)基本プロセス: ①集中→②雑念→③気づく→④戻す
大切なことは、心が離れたこと、違うことを考えていることに「③気づく」ことです。
②雑念が多くても、「瞑想に向いていない」「集中力がない」など考えたり自分を責めたりせずに、ただ④戻す。そして、①集中・・・このループを繰り返していきます。
筋力と同じように、反復するごとに集中力がUPしていきます。
マインドフルネス瞑想のオススメ音源
ご自身でいきなり瞑想するのは難しい!と感じる方は、こちらをお聞きください。
12分で瞑想体験が出来ますよ。
「midnight temple radioお寺ジオ」
#95【ゲスト回】瞑想のすヽめ ③:早島英観さん
近年の研究では、脳は何歳になっても変化をする、というのが定説になりました。
私たちの心は、日頃考えている事が、その人の心の傾向になっていき、日頃の習慣によって自分を作っていきます。おおげさに言えば私たちは自分で脳を作り上げる事が出来るのです。
正しい認識が、正しい判断を呼び、正しい行動につながるのですね。
アクセルを緩めると、窓の外の景色を楽しむゆとりが生まれます。心にゆとりを持って楽しくドライブする事も良いと思いませんか。
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