アラフィフ特許翻訳者、パラレルキャリア模索中
某特許事務所で、15年ほど特許翻訳者(日英)として勤務している。
今年に入り、事務所の所長が代替わり。新所長は私よりも若く、ビジネスの進め方、仕事のアプローチ等が刷新された。
翻訳の仕事も然り。
機械化できる部分は、積極的に機械翻訳を活用。特許翻訳者としてのプライドは、明細書の『従来技術』と『特許請求の範囲』とで表現するように、との新所長からのお達しがあった。
特許出願人である企業から依頼される翻訳の単価は右下がり。売り上げキープのためには、翻訳件数を上げること。件数アップのためには、機械翻訳を効率的に使うのが得策、ということだ。
今回、機械翻訳を久々に使い、そのあまりの進化っぷりに驚いた。
数年前はビジネスレベルの英語からは程遠く、だいぶ軽んじていたが、何たる成長ぶり。恐るべし。
たった数年でこのレベルアップ。10年後、いや、5年後には、さらにレベルアップするのは間違いない。
その頃、特許翻訳者の仕事は如何に?!仕事、あるんやろか、というおののきを感じつつ。翻訳業自体がどんな経路を辿り、どんな流れに向かっていくのかを直に体験するのも面白そうだ。
翻訳者に成り立ての頃には、55歳頃にはフリーランスとして独立し、ノマド翻訳者になろうと思っていた。
色んな場所を気ままに旅行しながら、翻訳で稼いでいこうと考えていた。
機械翻訳やAIの華々しい登場が、私のノマドプランをどう変化させるのか。
先細るであろう翻訳業のリスク分散のために、パラレルキャリアを目指すタイミングが来たのだ。
しかし、果たして。何をパラレルキャリアにすべきか。
翻訳業はPCと向き合ってばかりで、人とのコミュニケーションが乏しい。その分、パラレルキャリアでは、人との繋がりを重視した楽しいことをしたい。
しかし、果たして。人との繋がりを重視した楽しいこととは?パラレルキャリア模索中。
アラフィフ特許翻訳者、このまますたれるわけにはゆかない。