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「子ども」と「地域」の共通点

市主催の祭りに行った。この土地に住んで25年ほど経つが、祭りに変化を感じたのはここ3年くらい。

パンデミック前は、地域の名士や自治会が中心の祭りだった。そこに足を運ぶのは、小さな子連れの30代ファミリー、小中学生、40~60代のグループや夫婦。それはそれで楽しかったけれど、いつもちょっとした違和感を拭えなかった。

10代後半~20代の若者がほとんどいない。市主催の祭りから、その世代がゴッソリと抜け落ちていた。

祭りに変化が現れたのはパンデミックが明けてから。

そこには、これまで参加していなかった若者の姿が多くあった。主にボランティアスタッフとして。

パンデミック期間中に学校行事や多くのイベントを諦めざるを得なかった若者たち。そんな彼らに「みんなで一緒になにかをつくりあげる体験をさせてあげたい」という趣旨で、市がボランティアスタッフとして若者を募集したらしい。

「大学の数が多い」という市の特色を存分に活かした祭り。イベント企画、グッズデザイン、店舗運営など、多くの場面で学生スタッフが笑顔で活躍していた。

子ども向けのサッカー体験ブースを出店する、体育会系サッカー部。

大学生のバンドステージで司会進行を務める、大学の放送研究会。

子ども向けイベントで、子どもと一緒に遊ぶ学生たち。

子どもと学生の触れ合いが、あっちにもこっちにも。楽しそうに活動する若者を見た子どもたちは、どう思うだろう。大きくなったら自分たちもやってみたい。そう思うのではないだろうか。

いまの子どもは未来の大人。

「いまの子ども」が行く先をその先にいる年代の人が直に見せてあげる。ほら、この先にはこんなワクワクするものがあるんだよ。

そうやって、未来を想像できるような種を「いまの子ども」に蒔いていく。

市職員の手厚いバックアップを受けて学生主体で運営する祭りなので、お客さんにも学生が多い。それまでの祭りで抜け落ちていた世代を、見事にすくいあげた。

ボランティアの中心は高校生や大学生だったが、40代や50代のスタッフも多く、年齢を問わず交流している姿が微笑ましかった。各世代が手を繋いでいるような祭り。やぐらを囲んで行われた盆踊りの輪に通じるものがあった。

「子ども」と同じで「地域」も育てていくものなんだと思う。

「地域」がよりよく育つためには?

行政と住人の双方にそんな視点が欠かせない。






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み・カミーノ
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