あえてマニュアルフォーカスを使ってみる【カメラ】
1980年代にオートフォーカスが生まれて以降、カメラは自動でピントを合わせるオートフォーカスが主流になりました。
最近だとオートフォーカスの精度も上がり、人の瞳にずっとピントを合わせ続ける機能が搭載されているカメラもあります。
しかし、私は今回マニュアルフォーカスのみに対応したレンズを買いました。オートフォーカスを捨ててマニュアルフォーカスに振り切ったのです。
そこで気付いたマニュアルフォーカスの強みについて、今回は語っていこうと思います。
オートフォーカスはもはや基本
現在発売されているカメラは、M型ライカなどの一部機種を除いて、ほとんどにオートフォーカスが搭載されています。
現在のカメラでは、オートフォーカスの種類が多彩になりました。
位相差AFやコントラストAFなど、ピントを合わせる方法が増え、さらにスポットAFやマルチAFなど、どの範囲にピントを合わせるかを細かく指定したり、逆にカメラ任せにしたりすることも可能です。
さらにここ数年で、カメラのオートフォーカスにAIが導入されることも増えてきました。
カメラにAIが搭載されたことで、人や動物を判別してより確実にピントを合わせ続けることが可能になりました。
完璧だからこそのオートフォーカスの弱点
現代のオートフォーカスは完璧に近いところまで来てしまいました。
しかし、完璧に近づいてきたからこそ生まれた問題もあるように思えます。
現在のカメラは、合わせるべきところを勝手に判断してピントを当ててしまうことが多々あります。
特に瞳AFが入ってからは、手前に物があったとしても人間の瞳に勝手にピントを当ててしまいます。これでは自分の意図するところにフォーカスを当てられず、なかなか不便です。
対策としては、スポットAFを使うことが考えられます。
フォーカスを合わせる場所をあらかじめ指定しておいて、その範囲内で自動的にピントを合わせるわけです。
ですが、これをやるには毎度スポットの位置を移動させないといけないので、人によっては面倒と思うこともあるかもしれません。
マニュアルフォーカスを使うという選択肢
というわけで(古きを訪ねてなんとやらではないですが)、私は今回マニュアルフォーカス専用のレンズを買いました。
オートフォーカスで不便を感じるなら、最初から自分でピントを合わせに行けばいいじゃないか、という考えですね。
ただし、マニュアルフォーカスのレンズは自分でピントを合わせないといけないので、高速で移動するものにピントを合わせ続けるのは難しいです。例えば動物とかスポーツとか、そういうものを撮るのは相当の腕がなければ難しいでしょう。
ですが、私の主な撮影はポートレートかスナップ。
ポートレートであれば、ゆっくりピントを合わせる時間がありますので問題なし。
スナップも、最初から適当なところでピントを合わせておけばいいですし、そもそも最初から絞りを絞っておいてパンフォーカスにしておけばいいのです。ピントが多少合ってなくても気にする必要はないですし。
現代のカメラってマニュアルフォーカスのレンズにも優しくなっていて、マニュアルでピントを合わせるのを助けてくれる機能がついています。
その1つが、ピーキング表示。
ピーキング表示とは、マニュアルフォーカスの時にピントが合っているところを色で教えてくれる機能です。
自分はピントが合っているところを黄色で示してくれるように設定しています。
これを使うと、ピントが微妙に合っていない!というのを未然に防ぐことができます。
オートかマニュアルか
今回マニュアルフォーカスレンズを買って、マニュアルフォーカスに舵を切ってみたのですが、これが思っていたよりもある意味便利で驚いています。
もちろん動きものを撮る時とかにはオートフォーカスのほうが便利なんですけど、止まっているものを撮るときには一周回ってマニュアルフォーカスのほうが便利……なんてこともあります。
オートフォーカスもいいですが、マニュアルフォーカスでもこれから遊んでいこうかなぁと思った今日この頃です。