『トゥモロー・ワールド』原作読んでみた
アルフォンソ・キュアロンの『トゥモロー・ワールド』は、子供の生まれない世界を描いた終末感あふれる映画だった。
上掲記事にも書いたように、マーク・フィッシャーの『資本主義リアリズム』でも取り上げられている。
子供が生まれないというのは世界の終わりにほかならないが、映像作品にできるくらいは想像しやすい、、、というほどの意味であろうか。
15年前の作品だが、急速に子供の数が減る現代においてさらに示唆に富む作品となっている。
というわけで原作も読んでみたのだ。
なお原題はChildren of Menであり、邦訳は『人類の子供たち』であったが、映画発表後に『トゥモロー・ワールド』に改題されている。
また私は原題はTommorow Worldだと思っていたため、オンライン英会話で一生懸命に「トゥモロー・ワールドは面白い、観るべきだ」と連呼するも、全く通じなかったことがある。
アルフォンソ・キュアロンも言うように、小説と映画は全く別物と考えてよい。
小説の方は、老人を半強制的に自死させる「生命の解放」とかいうイベントがあったりして、映画よりもディストピア感が強い。『Plan 75』みたいだね。
また主人公セオの従兄弟ザンは映画よりももっと独裁者然としており、主人公らの逃避行はより切迫したものとなっている。
25年間子供が生まれなかった世界で、突然妊娠した女性が現れたら人々はどんな行動を取るか?という想像力もかきたてられる。
というわけで原作は原作なりの良さがあったので読んでよかったと思う。
まだ映画見ていない人は、映画から体験することをおすすめする。早送り禁止ね。
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