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時岡洋一『四季のない京都 1978』読んだ

このような小説を読んでみたのである。

著者はAIに関わる会社を経営しておられて、言語とAIと哲学は親和性が高い、、、ということで某哲学系Youtuberさんのオフ会でお会いしたのであった。

その著者の方がコロナ騒ぎで暇だったときに書き上げたというのが本書だ。

版元は傑作『ギリシャ哲学30講』で知られている明石出版である。

主人公は音声言語に関わるAIのための音声データの収集を生業としており、名前は島岡恭一、、、というわけで明らかに著者自身がモデルである。

舞台は2014年であるが、主人公つまり著者が立命館大学の学生であった1978年も重要である。どうでもいいが私は1978年の京都の生まれである。

1978年といえば京都市電が廃線になった年でもある。

だから私には京都市電の記憶がない。

また立命のキャンパスはかつて市役所と御所の間くらいにあったらしい。便利じゃん。だが1978年ころまでに衣笠に移転したようだ。

物語は途中から京都観光を軸として進行する。場所が具体的にイメージできるので読みやすかった。

観光と同時進行でロマンスのような、そうでないようなストーリーが展開される。

ネタバレになるといけないので詳細は書けないが、音声言語とAIがどのような未来をもたらすかを示唆する結末になっている。

記号接地問題ともつながるのだが私の不勉強のために、そこまでは読み込めなかった。


古い京都について想いを致すきっかけとなる良書であった。

また一昔前の京都についての映画といえば『ヒポクラテスたち』を推薦させていただきたい。

本書と合わせて鑑賞するとより良いと思われたのである。

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はむっち@ケンブリッジ英検
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