食欲を「意志」のせいにしないで
みなさんこんにちは。今日は「食欲」についてお話します。
ダイエットは根性論!と思って、とにかく空腹を我慢するんだ、好きなものを食べずに我慢するんだ、と思って食事制限を続けていても、
結局食欲が爆発してしまって食べ過ぎてしまった、、
という経験は誰にでもあると思います。
私も過去に数えきれないほどこの経験をしてきました。
そして、真面目な人は「ああ、また今日も食べ過ぎてしまった、やっぱり私は意志の力が弱いからだめなんだ」と思ってしまうのも、無理はないです。
でも、安心してください。
これは、決してあなたの意志の問題ではありません。
無意味なことで自分を責めて自己肯定感を下げてしまわないように、
正しい知識を知って、自分の体とうまく付き合っていきましょう^^
なぜ食欲は意志の力で抑えられないのか?
単刀直入にこの質問に答えるならば、
それはあなたの意志ではなく、
「ホルモン」がコントロールしているからです。
私がみなさんに、皆さんに、「今からホルモンを出してください」とお願いをしても、出せないですよね。。。
ホルモンは脳や副腎、脂肪細胞など体のいろんなところから体の反応によって分泌されるものなので、自分でコントールすることはできません。
この、自分ではコントロールできないものが、食欲を上げたり下げたりしています。
だから、食べてしまったのは意志が弱いせいだ、、、とか考えて落ち込むのは、もうやめましょう。あなたの意志が低いのではない、正しい知識を知ってダイエットに向き合えていなかっただけです。
では、どのようなホルモンが食欲に関係するのか、しっかり学習していこうではありませんか!
少し長文になりますが、もう落ち込まないために、
ちょっとずつでいいので、読んで理解していってみてください。
食欲に影響を与える「ホルモン」とは?
大きく分けると、食欲を抑制してくれるホルモンと、食欲を増進させてしまうホルモンとがあります。
まずは、食欲を抑制してくれるホルモンです。
①レプチン
レプチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで、基本的に食事をした後に分泌されます。これによって脳の視床下部にある満腹中枢が刺激され、満腹感を知らせてくれるホルモンです。
「はぁー、お腹いっぱいになったー」という時はこのホルモンがちゃんとでています。
でも、なぜか食べても食べてもお腹いっぱいにならない、その感覚がわからない、という人はこのホルモンが正常に機能していない可能性があります。
②GLP-1
あまり聞きなれない名前ですが、このGLP-1というホルモンは小腸の下部にある小腸内分泌L細胞から分泌されて、インスリンの分泌を促したり、食欲を制御したりする働きをしています。
腸からもホルモンってでるんですねー!
では、次に食欲を増進させるホルモンです。
③グレリン
これは、①のレプチンと逆に、胃から分泌されるホルモンで、空腹で体内のエネルギーが不足しがちなときに分泌されます。これによって脳の視床下部にある食欲中枢が刺激されて、食欲が増します。
これ以外に、食欲には直接関係はないのですが、間接的にかかわるホルモンとして押さえておくべきホルモンが二つあります。
④インスリン
インスリンは食事で糖質を摂ると膵臓から血糖値を下げるために分泌されます。
インスリンには血中の糖分を脂肪に換えて体にため込む働きがあり、血糖値が緩やかに上昇するのであれば問題ありませんが、急激に上昇するとインスリンは過剰に分泌され、体に脂肪をため込みやすくなってしまいます。
そして、血糖値を一気に上げて、一気に下げてしまうので、いつまでたっても満腹を知らせる①のレプチンが送られないということになってしまいます。
逆に適切に血糖値が上がれば、ちゃんとインスリンが分泌されて、満腹を知らせるレプチンが働くので、食欲は落ち着きます。
⑤コルチゾール
いわゆるストレスホルモンと呼ばれるもので、ストレスを感じた時に分泌されるホルモンです。コルチゾールが分泌されると、食欲抑制ホルモンである①の「レプチン」を減少させてしまいます。
これらのホルモンを直接コントロールすることはできないですが、
できるだけ出さないように、とか、できるだけ出やすいように、と調整することはできますよね。
その方法を次に紹介していきます!
どうやってホルモンをコントロールするか?
上に書いたように、
①「レプチン」、②「GLP-1」は食欲抑制ホルモンなので、正常に機能させて出したいですよね。
そして、③「グレリン」は食欲増進ホルモンなので、できるだけ抑えたい。そして、「コルチゾール」や「インスリン」も出しすぎないようにしたいです。
そのために食事、運動、生活において大切なことをお伝えします!
すべてを一気に書くと消化しきれないと思うので、今日はまず食事についてです。
「食事」を通じて食欲ホルモンをコントロールする方法
1)タンパク質と糖質を適量摂る
まず、タンパク質を摂取することで、胃から分泌されるGLP-1の分泌を促すことができます。これは、タンパク質が腸でペプチドやアミノ酸に分解されることで、腸内分泌細胞を直接刺激し、消化管ホルモンの分泌が高まることが原因だそうです。
そして、糖質を適量摂取することで、インスリンが分泌され、満腹ホルモンであるレプチンが分泌されます。
では、「適量」とは一体どのくらいか?
タンパク質は、アスリートや激しいスポーツや運動を毎日行う人でなければ、体重×0.8~1.2グラムが適量といわれています。また炭水化物は、体重×5~7グラムが適量と言われています。
仮に体重50キロの人の場合は、タンパク質は40~60グラム、炭水化物は250~350グラム摂取するようにしましょう。
2)高GI値の食品を避ける
糖質を適量とってインスリンを出したいのですが、
前述したように、急激に血糖値を高めると、摂取したカロリーが脂肪に蓄えられやすくなるだけでなく、いつまでたっても満腹ホルモンがでないため、
一気に血糖値を上げてしまうような高GI値の食品ではなく、低GI値の食品を摂取するようにしましょう。
GI値に関してはこのサイトが分かりやすいので、是非見てみてください。
3)ゆっくり、よく噛んで食べる
レプチンは食事を始めてから20~30分後に分泌され始めるので、ゆっくりとよく噛んで食べると、レプチンの作用を引き出しやすくなります。
また、よく噛むと、食欲を抑制する「GLP-1」などの消化管ホルモンの分泌も促されると言われています。
一口食べたら30回は噛む、あるいは一口食べるごとに箸をおくなどしてみましょう。
4)食物繊維をしっかり食べる
野菜やきのこ類に含まれる食物繊維を摂取することで、小腸から分泌されるGLP-1の分泌を促し、食欲を抑制してくれます。
食物繊維それ自体は消化できないため、カロリーはありません。
そのため、食事に食物繊維を多く含めることで、いわゆる「かさまし」をすることができ、満腹感を高めることもできます。すると、レプチンも分泌されやすくなりますね。
食物繊維が多い食品は、この一覧から見つけてみましょう!
5)魚類の脂に含まれるEPAを積極的に摂る
EPAは「エイコサペンタエン酸」と言って、体内で合成できない不飽和脂肪酸のひとつです。
体内の免疫反応の調整、アレルギー疾患・高血圧・動脈硬化・脂質異常症・脳卒中・心筋梗塞・炎症性の症状の予防と改善に効果を発揮します。
さらに、中性脂肪の増加による動脈硬化や脂質異常といった生活習慣病の改善に役立つ成分として、特定保健用食品や機能性表示食品にも利用されています。
サバ、イワシなどの青魚、マグロやイクラなどに多く含まれていて、このEPAにも、上記の食物繊維同様に、GLP-1の分泌を促す作用があります。
EPAは、焼いたり揚げたりすると20%~50%栄養が落ちてしまいますので、なるべく生で食べるのが一番と言われていますので、お刺身や鯖缶などを活用してできるだけ生で摂るようにしましょう!
5つもあって、一気に取り入れるのは大変、と思った方もいらっしゃると思いますが、
逆に言えば、5つも選択肢(=チャンス)があるのです!!
どれか一つでも、できそうだなと思うものから取り入れてみましょう^^
次回は、運動、そして生活リズムにおいて大切なことを書いていきます!
お楽しみにー!