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#861 映画論31|ソナチネ
最近、たけしの挑戦状とか、風雲!たけし城とかについて紹介していたので、ちょっとたけしブームが僕の中で来ているので、こちらの映画論でも改めて北野映画を紹介していきましょう。
そんな感じで今回は無駄に封印していた「ソナチネ」を紹介します。
これまでに紹介した「その男、凶暴につき」「BROTHER」というバイオレンス映画と遜色ないバイオレンス映画でありながらも、若干の切なさと哀愁差があり、北野映画の中でもかなり人気のある作品です。
たけし自身も思い入れのある作品のようですね。
ソナチネとは?
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ソナチネは、1993年に公開された北野映画4作目の映画です。
主人公の村川(たけし)は、北島組という広域暴力団の傘下である村川組という組を仕切るヤクザなんですけど、上(親)の北島組の無茶ぶりで、沖縄に行くことになってしまいました。
と言うのも、北島組が友好関係にある沖縄の中松組が、同じく沖縄の組と戦っていてピンチとのことで、たけしに白羽の矢が立ち、たけしは仲間を引き連れて沖縄に行きます。
で、沖縄に行ったら、抗争は激化しており、その敵対する組から狙われて…たけし一同は海の近くの隠れ家的な所に身を隠します。
そこで、ここまで命を狙われていたのが嘘のように遊んで、はしゃいだりするんですが・・・敵は近くまで来ているんです。
そして楽しかった日々は終わり、また争いに巻き込まれ・・・という感じで、その日常と暴力の対比、そして美しい自然と、美しいBGMが相まって、名作と呼ばれている作品です。
ソナチネの魅力
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1. たけしがカッコいい
とにかくたけしがカッコいいですね。
振り返ってみるとこの時が47歳だったんですが・・・まだまだ若さを感じますね。
このあとのBROTHERではもう50歳を越えて落ち着いた大人になってますが、まだこの頃は若さがあり、悪戯とかしている姿も結構ほほえましかったりしますね。
ただ、怖い時はひたすら怖いですが笑
2. 沖縄テイスト
随所に沖縄テイストを入れているのが非常に秀逸です。
沖縄民謡や踊りがインサートして、寺島進と勝村政信も踊らされたりして、あとは何気にヒロインの幸が飲むビールがオリオンビールだったり、そしてなんといっても自然ですね。
海もそうですが、サトウキビ畑とか、沖縄の情景が浮かぶ演出が非常に秀逸です。
3. はしゃぐ大人たち
後述しますが、隠れ家ではしゃぐ大人たちの姿は微笑ましかったですね。
踊りを踊るのもそうですが、頭の上に缶を置いて銃で撃ったり、フリスビーを銃で撃ったり、あとは落とし穴に落としたり・・・はしゃいでました。
夜には花火を打ち合うんですけど、たけしが花火の合間で拳銃を撃つというトンでも行動に出ます笑
「兄貴、チャカ撃ってないっすか!」みたいな感じで寺島進に突っ込まれてますね笑
4.乾いたエンディング
そしてラストは北野映画あるあるですが、車の中で乾いたエンディングが非常に秀逸です。伏線がここで回収されるんですね・・・
ソナチネの名シーンBEST10
10位 大杉連 激おこ
このソナチネが、今後北野映画の常連になる大杉連のデビュー作なんです。
で、大杉連はオーディションに遅刻したらしいですが採用され、元々は脇役だったらしいですが、この電話の恫喝をたけしが評価し、No.2ポジションで最後まで出演し、その後たけし映画に欠かせない存在になりました。
9位 麻雀屋のオーナーを水攻め
沖縄に行く前の最後の仕事なんですが、この時の麻雀屋のオーナーがみかじめを払わないとかそんな理由で、水攻めという地獄の所業を行いますが、大杉連と世間話してますからね。その辺がシュールで怖かったりします。
「あ、もう3分経ってる」とかのセリフが自然で、水攻めの拷問をカップラーメンのお湯と同じ感覚で話してますね笑
8位 スナックの襲撃
そして沖縄で、たけしが助けに行った組と、その組が敵対する組が揉めるんですが、スナックでくつろいでいる所を急に襲撃されるんです!
この襲撃メッチャビビります!是非、恐怖を感じてください!
7位 紙相撲
この映画を象徴する名シーンですね。
まずは紙相撲を楽しみ、そのあとリアル相撲を行い、最終的にはリアル紙相撲を行う感じです(詳しくは動画を見ましょう)
これは北野監督もかなりこだわりがあるようで、かなり厳しく演技指導したとのことですね笑
大杉連がこの流れに入れず、終わってから1人でやってみる流れが非常にリアルで秀逸です。
6位 ロシアンルーレット
これもかなり印象的なシーンです。
勝村政信と寺島進が異様に仲が良く、空き缶を頭に乗せて銃を撃つという狂ってるとしか思えない遊びをしていると、たけしが加わり、じゃんけんで負けたらロシアンルーレットという更に地獄の遊びを提唱し、3人で浜辺でキャピキャピ遊ぶという感じです笑い
5位 たけしと幸
このヒロインの幸は、隠れ家付近でレイプされそうになってたのをたけしが助ける(躊躇なく腹を2発撃って殺す)んですが、その後はヒロインとしてたけしと一緒に行動します。
その中で、「なんで人を簡単に殺せる?」とか、「初めて人を殺したのはいつ?」とか結構鬼のような質問をカジュアルにしてます笑
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4位 釣り人風の殺し屋
そして楽しい日々も終わりを迎えて・・・
釣り人に扮した殺し屋が表れて、楽しい隠れ家生活が終わりを告げます。
こいつは本当に怖かったですね。
3位 エレベーター
そして終盤、敵討ちをしようと殺し屋を探してホテルに乗り込むんですが、そこに向かうエレベーターの中のアングルと銃撃戦が非常に秀逸。
滅茶苦茶カッコいいです。
2位 暗闇での決戦
そして最後、暗闇でのラストバトルの演出も最高にカッコいいです。
遠くからホテルを移し、ホテルの窓が銃弾の閃光で明るくなったり消えたりするんですが、その演出がメチャクチャオシャレです。
直接撃ってるシーンが無いにも関わらず凄惨さは伝わるという、これもたけし流ですね。
1位 ラストシーン
映画のエンディングを言うのは野暮なのでいいませんが、BGMの使い方が最高にしゃれてます。
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まとめ
かなりバイオレンス要素は強めであるものの、「アウトレイジ」とか「その男、凶暴につき」とかに比べるとマイルドだと個人的には思っていますし、何といってもオシャレなので、是非見たこと無い人には見て欲しい映画ですね。
そしてこの映画は日本では興行的に全然パッとしなかったらしいですが、海外で評価されてから手のひらを返したかのように日本でも売れたらしいです笑
ちょっとしばらくは北野映画を紹介しましょう。
次は2作目の3-4x10月という、イカれた映画を紹介します!