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ドイツでヨーロッパを観る

ヨーロッパ企画の映画『ドロステのはてで僕ら』が、やっと近くの町に来た。ようやく昨日、映画館で観ることができた。

感無量であった。何度も頬を涙が伝った。大スクリーンで観るのはいいものだ。細かいところもよく見えたし、音もよく聞こえた。字幕を眺めるのも楽しい。幸福な時間だった。

オープニングに山口監督と上田さんの挨拶映像があるとは思わなかった。2分後の自分に話しかけられます、なんて、最初にあんなにしゃべっちゃっていいのかなと思った。

あらためて観て、縦に伸びる構造がいい。役者の姿を見上げたり見下ろしたりは、ふつうの劇場舞台では無理だ。過去が上、未来が下、という設定かと思いきや、そう単純ではない。どういうことだろう、と思ってる間にぐいぐい引き込まれていく。

酒井さんひとり(あるいは3人)舞台のシーンは、何度見てもため息が出る。本当にドロステレビなんじゃないかと思うくらい。

それにしても、これまでの劇団活動の蓄積があったからこそ撮れた映画だなあと改めて思う。役者たちの掛け合いはさすが、安心して観ていられる。スタッフの労力は、ちょっと想像ができない。

朝倉さんが自分をドロステレビの中に見つけるところは館内爆笑であった。ガチャガチャはあんまり受けてなかった(多くの人にはイメージが--ガチャガチャの、ゼブラダンゴムシの、またガチャガチャに熱中する大人のイメージが--わかなかったのだと思う)。事務所のシーンは大受けだった。上演後は大きな拍手。

エンドロールに流れるサポーター一覧のなかの自分の名前を指さすこともできた。

これでやっと、昨年春からの気持ちが落ち着いた。

マグカップが会場で売っていなかったことだけが残念だった。fantasy filmfestのグッズは山ほどあったけど。

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