
【IW100/2024発酵の可能性】記念 マイ生揚醤油完成です!
2回目の開催となりました、全国100のイタリア料理店による『ITALIAN WEEK 100 ”発酵の可能性”』が終了いたしました。
ご来店いただいた皆さま、投票してくださった皆さま、ありがとうございました。
マイ醤油完成!
終了を記念して、5月に仕込んだマイ醤油、火入れなし濾過緩めの「生揚醤油(きあげしょうゆ)」完成です!




立ち昇る芳しい香り。各蔵の木桶醸造醤油と同じ、微生物の生命力を感じる華やかな味わい。
マイ醤油講師、和歌山県カネイワ醬油本店 岩本さん、ありがとうございました!

IW100に参加して
参加店として約1年間取り組んだことで、発酵をより深く楽しく理解できました。
再現した奈良時代のぬか漬けの元祖「須須保利漬け」や木桶醸造調味料が、難なくイタリア料理と融合したことが思わぬ発見でした。
特に「木桶醸造醬油のリゾット」は国内外老若男女問わず好評で、皆さま無意識のうちにソースを残さずパンで拭っていただき、お住まいの地域やお気に入りの醤油蔵が木桶仕込み醤油を作っていないか確認されていました。

醤油作りから見えた「発酵の可能性」
多くの発見があった「発酵の可能性」
中でも実際に醤油を自分で作ったことで見えてきたことがあります。
人類が大切にしてきた発酵文化は菌との共存共栄の歴史の積み重ねです。
目に見えない未知の菌のおかげで食べられないものが食べられる状態になった手探りの時代から、人の英知がそれを助けコントロールし共に栄える時代を経て現代、合理性を求めるあまりその素晴らしさを忘れかけているように思います。
各地の木桶醸造調味料とワークショップで作った自作の醤油からは、いきいきとした華やかな香りが立ち昇り、そこには大豆をこんなにも美味しく作ってくれて、今も元気に生きている菌の存在をまざまざと感じました。
この、ずっと昔からそこにあった最も身近な生命力みなぎる発酵を、イタリア料理から考えることで新たな視点を得ることができました。
人類の長い歴史文化や環境により培われた英知を基に、新たな生命力あふれる発酵を発見する楽しみや希望を見出し、実際にイタリア料理として完成できたことで、日本の発酵文化の更なる可能性を感じています。
ITALIAN WEEK 100関係者の皆さま、当店を支えてくださる全ての生産者と関連各社の皆さま、奈良県の農畜産品や食文化、発酵について教えていただいた各専門分野の皆さまに、この場を借りて心より感謝申し上げます。
監修 山嵜正樹
文 山嵜愛子
☆☆☆SPECIAL THANKS☆☆☆
◆発酵についてお話を伺った方◆
刀祢米穀店(奈良小西さくら通り商店街)
LAMP BAR 金子道人さん(奈良小西さくら通り商店街)
Cauda(奈良市カフェ)
奈良先端科学技術大学院大学微生物インタラクション研究室 渡辺准教授
◆参考文献◆
「古代の食を再現する―みえてきた食事と生活習慣病」三舟 隆之、馬場 基 編集(吉川弘文館)
「古くて新しい 日本の伝統食品」陸田 幸枝 著(柴田書店)
「ビジネスエリートが知っている 教養としての発酵」村井 裕一郎 著(あさ出版)
◆参考サイト◆
農林水産省HP「日本の食文化に欠かせない”発酵”の世界」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2211/spe1_01.html#main_content
アマノフーズ【やさしい発酵図鑑vol.13】漬物の種類と違いを解説!https://www.amanofoods.jp/regular/mano/22724/
日本食糧新聞「全漬物協組連、PR事業の一環として古代の漬物「須須保理(利)」を再現」
https://news.nissyoku.co.jp/news/nss-7607-0049
漬物ポータルサイト「漬物の歴史」
https://www.tsukemono-japan.org/about_tsukemono/history/history.pdf