少年少女【詩】
12歳
少女は私を見つめている
1週間のうち、45分間
少女は私をじっと見つめる
少女の重たい真剣さ
これは悪ふざけではないのだ
だから私は、目を合わせてはいけない
居心地の悪さを見透かされてしまう
思春期の鋭さは本人の無意識なのだ
今にも爆発しそうな眼差しに
そちらを思わず振り返るとき
少女はやっぱり少女なのであった
あたらしい制服のプリーツが揺れる
桜がまだ蕾の頃に
少女は廊下で泣いていた
私はいつもの眼差しのごとく
見て見ぬふりをしてやり過ごす
そうすると、
美しい少女はやがて美しい少年になる
少女はあたらしい春と共に少年になるのだ
そんなことは当たり前だった
少年は手紙を持ってやってくる
その眼差しは若く、力強く、逞しい
受け取ったその手紙には
いつまでも返事を書けない
いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。