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未来への手紙53~エネルギー事業開発部メンバー編~

「より持続可能でNET-ZEROな未来を実現する」をミッションに掲げるbooost technologies。その会社で働くメンバーは、どのような未来を描いているのでしょうか。

「未来への手紙」は、そんなメンバーたちの普段見ることができない胸の内を綴り、仕事にかける想いを伝える定期連載コンテンツです。



10年後の自分へ。

~あなたは「考える葦」であり続けているか~

サステナブルな世界の実現は一筋縄ではいかない。産業革命以降発展を遂げてきた生活水準を維持するなら尚更である。

なぜなら、サステナビリティの論点は、そのほとんどが複雑系の中に存在し、解を出すことが難しいからである。

例えば、マクロの論点は、「経済発展状況が異なる北半球と南半球の事情」「保有資源など地理条件の異なる国々の事情」を踏まえ、いかに削減目標を設定するか等があり、ミクロの論点では、「個社の事業収支」「開発地域の環境影響」「周辺住民の生活への影響」等を踏まえ、いかに再エネ導入を進めるか等がある。

このような論点に答えを出すためには、思考のバランスを保ちながら広く深く考え続けることが不可欠である。

翻って、テクノロジーの恩恵により、人間の脳には、きわめて短絡的に解を出す癖が付きつつあるのではないか。

例えば、コミュニケーションツールで返信する際、熟慮し言葉を選ぶことがどれほどあるだろうか。仕事において、単純な検索キーワードに返された「何となく正しそうな情報」をもとにほぼ無条件に判断したりしないだろうか。

スピード向上は大いに望むべきことだが、問題は、この脳の習慣が社会全体に根付き、集団としての意思決定を短絡化させることである。

複雑系の論点において、短絡的に決断した先には、検討時に考慮できなかった影響が至る所に潜むことになる。これは、いずれブラックスワンとして表出し、2008年のリーマンショックのように世の中を盛大に吹っ飛ばす。

2045年には、AIがシンギュラリティを向かえ、複雑系の全てを理解し、どの観点からも見ても間違いない意思決定が可能になるのかもしれないが、サステナブルな世界を実現できるかは、今この瞬間の人間の思考にかかっている。

10年後にこの手紙を読んだ時、自分自身に問いかけてほしい。あなたは、考える葦であり続け、サステナブルな世界の実現に貢献できているか、と。

将来も残り続けてほしい風景


>執筆を終えて

将来への手紙ということで、抽象的ですが、ここ数年抱いている問題意識を書き出してみました!

人間が人間たる所以を試されるチャレンジングな時代に生まれたことを誇りに思い、今日も仕事に励みます!!


>編集部の感想

ご執筆お疲れ様でした。論文のようなお手紙でとても斬新でしたが、ご自身の中に存在する課題感が具体的な例と共に記されていて分かりやすく勉強になりました。
「思考のバランスを保ちながら広く深く考え続けることが不可欠」
確かにそうですね。テクノロジーに飲まれることなく、人間として持続可能な社会で生き続ける根源はここに尽きると改めて腑に落ちました。
今日からまたよろしくお願いいたします!



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