きまツモ

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音楽遍歴を振り返る【前編】

音楽好きを自称しているが、あまり好きなものは増えず趣味の範囲は広まらない。少なくとも自分ではそう思っている。多感で吸収力の強い10代のころを受動的かつ消極的な姿勢で過ごしたためではないかと思っている。20歳を超えてからの数年、いまのところは真新しいものにはあまり食指が動かず、新たな出会いが少ない。それまでの経験や記憶の貯金で今も食い繋いでいるような気分だ。SNSにいる同年代の人々が能動的に古今東西の音楽と出会おうとしていたり、音楽フェスなどの体験を心から楽しんでいる様子を見る

    • 酔い散らかした彼氏が私の家で寝ゲロした時に送ったLINE

      【明日の朝読んでるかしら】 おはよう。私は11-20時でバイトなのでもう家にはいないと思います。 ゲロ臭い口と髪と腕を洗っておいで🚿 体とか手を洗うのに使った洗面所と風呂場は、ハイターとかで掃除お願いします。あなたゲロまみれなので。 もし元気あったらレンジの上に除菌シートがあるから、床とか触ったドアノブとか電気のスイッチを拭いといてもらえると助かる。 長い文章が苦手なのは重々承知だけど、思うところあるので書き残させてもらうね。ちゃんと読んでください。 昨日の記憶が残ってる

      • 近況

        特にこれと言って伝えたいこともない。思い返せば日々はずっとそんな調子で、何か出来事はあるはずだが心に留まる事物もない。もともとこういった人間である。即興で自分の話をしろと言われるのが苦手である。そんなタイミングは訪れないが。 思いついたこと、心をかすめた言葉を忘れないようにと、備忘録のつもりでnoteの投稿をしようと思い至ったわけだが、見ての通りのありさまである。まあ、はなから誰もこの連載に期待はしていなかったわけだ。私自身も例にもれず、むしろ「確実にこれからも放置し続ける

        • 「こいつ、人語を解するのか⁉」

          最近、学校でやたら話しかけてくる男の子がいる。実習の班が同じなのでレポートの作成などで情報共有を行うのだが、なぜか「教えて~」「ここどうなった?」というメッセージが直通で個人的に飛んでくる。ヌカセ・ヤレ・ジブンデ。背骨のない誉め言葉や嚙み応えもないやりとりの往来に飽き飽きしていた。 とある昼下がり、彼が足早に誰かを追いかけて教室を出て行くのを見た。自分も帰ろうと荷物を引っ提げて駐輪場に向かうと、日傘をさしたきれいなミルクティー色の髪の女の子と彼が話している。自分に似合う色を知

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        音楽遍歴を振り返る【前編】

          船は揺蕩う

          好きなカフェがある。もうこれだけで人生かなり素晴らしい。 置かれた古道具たちの醸す雰囲気、店主のモノをみる視点や含蓄のある問いかけ、手の届く範囲でこだわりと好きの純度が高められた空間。 「いろんな人が来るよ。いろんな国から。看板も出してないし、ネットやSNSに情報もないのにね」 coffeeとだけ書かれた看板が港町にぽつんと佇む。店主は言う。 「でもだからこそ面白い。偶然通りかかって、店に入ってくれた人たちの話を聞かせてもらってさ」 この店、Google mapで名

          船は揺蕩う

          料理

          文章が書けるって大事だ。読むのも好きだ。良いと胸を張って送り出せる文が綴れる人間になりたい。しかしアカデミックな文章や私信など、誰かが読むと思って書くと、うまく指が動かないことが多い。 このタイミングで人様が見れる場所に文章を投げようと思いたった理由としては、これではどこか物足りない。というわけで学生を経て培った「後付けで理由をそれっぽく生成する」スキルを使ってみる。 第一に、文は書かないとうまくならない。読むだけでは上達しない。大学の卒論なんてもんを書かねばならぬのなら