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経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(2)


p.5~ 1.本と書籍の役割について

・(1)本の役割
⇒全面的に同意。うんうん頷きながら読んだ。
一つ加えるなら、「本」の質や内容も非常に重要であること。

・(2)書店の機能
⇒「読み手が出会う経路」というのは入手経路なのか本の存在を知るということなのか?
学校や知人からの紹介なども4つめに加えていいかもしれない。

・「このうち書店は、日本の文化、日本人の教養、さらに言えば日本人の人間力といったものと深く結びついている産業」⇒図書館もそうだよね

・「書店は、書店員の方々が工夫を重ねて」⇒重ねているところもあれば、重ねられてないところもありそう。

・「書店、図書館、ネット販売の中で、書店だけが減っており、既に、約4分の1の市町村において、書店がない状況」
⇒そんなにないんだという焦りを抱く。どの程度あればいいのか?
1市町村に1つ書店があるのが最低目標?
1駅に1つ書店があれば合格ライン?

p.7~ 2.書店の状況

(1)1.我が国における書店の状況

・統計データの確認
①出版物の売上:1996年約2.7兆円→2022年約1.1兆円 (25年で6割減)
②全国の書店数:2003年約2万1千店舗→2023年約1万1千店舗(20年で半減)
③書店がない市町村:27.7%  (書店がない+1軒のみ:47.7%)
④書店店頭での購入金額:減少
※ネット書店による売り上げ:2013年約1,600億円→2022年約2,900億円
 
データ元
①出版科学研究所
②出版科学協会
③出版文化作業振興財団

・我が国の本の流通のビジネスモデル
⇒見直すしかないよ。雑誌の販売に依存せず、本の販売だけでも成立するように。後で出てくる、価格設定・マージン、返品・委託などかなり改革的に立て直すことを考えた方がいい。
これは、いくつかの企業の努力や工夫だけではかなりハードルが高いこと。政府が貢献できる部分は多そう。

・書店、図書館、ネットの3つのチャンネルが特色・強みを活かして共存
⇒後半に図書館との連携については具体例がいくつか挙げられていた。もっと具体的に議論を進められそう。

(1)2.我が国における本の流通に関する制度や状況について

  (a) 再販売価格維持制度

都市部と地方部での価格差を生じさせず、全国の文化水準をある程度均一に向上させることは大事でもあるが、書店経営を圧迫している側面もある。

⇒解決案
・割引を一定の範囲で認める

・出版社が一方的に価格を決定するのではなく、事前にヒアリングをできる仕組みを考える。出版数が多すぎるので、まずある程度絞る。そのうえで書店、取次、読者などにヒアリングして価格や出版点数の参考値を決定する。

・出版社が価格を決定するのであれば、一律何割か値上げする。
一方で、値上げによって購入者が買えなくなってしまう懸念がある。
購入者目線で考えれば、そこで図書館や中古書店との連携を強化するのも一案。
ただ、出版社、取次、書店サイドとしては、値上げ分を上回るほど購入数が減ってしまうと元も子もないので、購入者としてはそこまで値上げにならない方法を考える必要がある。すなわち、政府が医療のように何割か負担する、消費税率を下げる(システムや現場が混乱するのでキツイ)、商品券みたいな形で消費者に配布(これがあるから本を買おうと思う層もいると思うけど、一時的すぎるし、使用率低そうで微妙)。

例えば今まで1.3倍に値上げして、消費者は1.1倍の価格で購入、国が0.2を負担する。(1000円の本を1300円で売り、消費者は10%UPの1100円で購入、国が残りの20%である200円を負担)。
出版物の売り上げは2022年現在約1.1兆円なので2200億円の財源を確保する。
6年度の国の予算は合計で1,125,717億円。ここはもう少し詳しく勉強してみたいところです。裏金問題とか使途不明金、政治不信があるので、予算が足りないとか言われても、はあ?って言っちゃいそうだけど、まずは調べてみないとね。
45.pdf (mof.go.jp)

・価格は据え置くなら、書店の経費の方を国や市区町村で助成する。


  (b) 委託配本制度

⇒この制度は、なくすあるいは限定的にしていくしかないのでは?
 買い切りを増やしていく。現実的に進めるうえでどんなハードルがあるだろう?

・「売れるか未知数」
⇒事前にある程度未知数じゃなくすればよいのでは?
Webで一部or全部公開して反応を見てから出版数や流通先・数を決定できるようにする。一部の人にだけ限定でもよい。先行。レビュアー。

・「年間7万点」
⇒やはり多すぎない?数を減らして出版社も自信をもって世にお届けできる商品だけをしっかりじっくり作り上げてほしい。
出版基準は何なのか?多数出版しないと出版社の経営が厳しいのか?
他国はどの程度出版数があるのか?

・「在庫リスクを抱えずに品揃えが可能」
⇒ある程度はリスクを抱えるのが商売だからさ・・・多少は、ね?

・「粗利益の書店取り分は低く」
⇒さっき書籍の定価を値上げする話を書いたけど、書店のマージンを上げるのは難しいのか?取次も出版社も経営苦しいから無理か?

・「書店の規模が大きくなればなるほど(中略)有利」
⇒たぶんそうなんだと思う。これは当たり前に不満もでるし、小さなところはつぶれちゃうよね。じゃあどうすればいいんだろう?
勝手に配本されるんじゃなくて、書店が自分から事前買い切り注文する(できる仕組みにしていく)しかないのでは。


  (c) 委託配本制度に起因する高い返品率

⇒解決案
・委託配本制度を減らすかなくす
・返品する本の有効活用先を中古書店、図書館、近隣商圏で検討する
・汚破損本を減らす。
・汚破損本を補修して商品として活用する方法を検討する。


(2)諸外国の状況

・フランス
「公共図書館及び公読書に関する法律」「公読書」
コロナ禍で配布された「文化パス」
1981年制定「本の単一価格に関する法律(ラング法)」
 :値引きは一定期間5%まで制限
  2014年改正(反アマゾン法):オンライン書店による輸送料無料の禁止

・韓国
2002年「出版文化産業振興法」「地域書店活性化条例」
韓国出版文化産業振興院により様々な支援
地方自治体による図書費支援事業

⇒とても参考になって面白い。ほかの国についてもどんどん調べたくなる。
他国の事例はまるごと取り入れることはできなくても、ヒントになることがたくさんありそう。色々失敗してもいいから、いろんなもの参考にして試行錯誤していくといいなと思う。

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