Bookstorist

本のある空間に囚われている人。 夢半ば、あるいは迷子。

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マガジン

  • 経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ

    書店活性化を願っているので、この政府のプロジェクトには期待しています。政治に不信はあるけれど、このプロジェクトに関しては、立ち上げたこと、課題を整理したところまではまず、評価できると思っています。応援したいので、建設的な感想やアイディア、考察をひとまず公開していきます。

  • 「町の書店を増やしたい」を考える

    「町の書店を増やしたい」を考える。 出版業界勤務経験あり。本屋さんが好きです。 書店を守りたい・増やしたいからこそ、視点や論点を整理したい。 少しずつ整理しながら、リサーチ量やアイディアを増やします。 少しでも貢献できたらと思っています。

  • キャリアと夢を育児の傍ら考えてる

    夢を追いかけている途中で出産育児期に入った専業主婦です。 仕事をしたい、夢を叶えたい、でも今は目の前の育児で手いっぱい。 そんな悩みに関する走り書きログ。

  • 身近な社会問題とか

    世の中をより良くしたい。 社会問題・環境問題・いろんな問題から、そろそろ目をそらさずに。 専門家でも当事者でもなくても、少しずつ。まずは気づいて、考えてみることが最初の一歩。 頻度:不定期 対象者:身近な社会問題について思いを馳せる人。基本的に温厚で建設的で冷静な考察を好む人。

最近の記事

経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(6)

(2)小売り全般に共通の課題1.物流費の上昇 3.物流の2024年問題 ⇒この1.と3.に関してはすでに述べた通り、 ①買い切り制&返品に該当する本を地域で活用できる道を探す ②地産地消ではないけど、データは輸送費がかからないのだから、印刷・製本する現場を各地で作れないか検討する が個人的な解決案。 2.人件費など店舗運営に係る費用の上昇 ⇒政府や都道府県、区市町村など行政側が ①経済全体の振興を頑張る ②書店の費用への助成を検討する。 でお願いしたい。 4.人手

    • 経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(5)

      19.文化拠点としての書店の重要性の理解の希薄化 ・「一覧性」や「セレンディピティ」によって自身の視野が広がるという書店の意義や楽しさ、重要性への理解度を、本好きの地域住民の力を借りながら上げていきたい、といった内容。 ⇒全国各地の地域住民が、草の根的かつ自発的に書店活性化につながる運動を始めるのを待っているだけではかなり厳しい。 事例を紹介したり、何らかの啓蒙活動や呼びかけが必要。 それは必ずしも政府でなくてもいいかもしれないが、信頼度を上げて参加者を増やすために政府も

      • 経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(4)

        10.公共図書館の複本購入による売り上げへの影響 ⇒これはちょっとピンとこなかった。「過度な複本購入」の具体例や行政による図書館の評価指標については別途調べたいと思ったけれど、今回の書店活性化にまつわる課題としては重要度が低い気がした。 11.公共図書館での新刊貸出による影響 ・「新刊書籍を発売と同時に貸し出すことが書店店頭での売り上げ機会を奪うという意見」 ⇒これもちょっとピンとこなかった。 書店の活性化は一つの目標かもしれないけれど、さらにその先の目的を見失ってい

        • 経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(3)

          p.10~ 3.書店活性化のための課題の整理(1)書店特有の課題1.来店客数の減少 ・文化庁の2023年度の調査で、電子書籍も含めて1か月に1冊も本を「読まない」が過去最高の62.6% ⇒「国語に関する世論調査」が出典。全国の16歳以上3559人の結果 (「月に1冊も読書しない」が6割超 進む読書離れ 国語世論調査 | 毎日新聞 (mainichi.jp) ⇒厳密にいうと、これは読者数の減少のデータで、来店客数ではない。 (来店客数も減ってそうだけど) 来店客数、来店は

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        • 経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ
          6本
        • 「町の書店を増やしたい」を考える
          9本
        • キャリアと夢を育児の傍ら考えてる
          2本
        • 身近な社会問題とか
          1本

        記事

          経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(2)

          p.5~ 1.本と書籍の役割について・(1)本の役割 ⇒全面的に同意。うんうん頷きながら読んだ。 一つ加えるなら、「本」の質や内容も非常に重要であること。 ・(2)書店の機能 ⇒「読み手が出会う経路」というのは入手経路なのか本の存在を知るということなのか? 学校や知人からの紹介なども4つめに加えていいかもしれない。 ・「このうち書店は、日本の文化、日本人の教養、さらに言えば日本人の人間力といったものと深く結びついている産業」⇒図書館もそうだよね ・「書店は、書店員の方

          経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(2)

          経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(1)

          経済産業省書店振興プロジェクトチームがR6年10月4日に発表した「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を一読しました。 初見メモを残します。 「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を公表しました。 (METI/経済産業省) ⇒パブリックコメント2024年11月4日まで募集してますよ! なお、この初見メモを書いているのは、書店活性化に貢献したいという思いを15年ほど抱え続けている人です。それを実現するため、出版取次に入社し4年間勤務。当時は自分の立

          経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(1)

          「町の書店を増やしたい」を考える  4-4. 本:誰に読書して欲しいのか(2)

          誰に読書して欲しいのか、という話が前回の投稿にまとめきれなかったので、続きです。前回は「CAN but DON'T 読めるけど読まない人たち」の話。 今回は「WANT but CAN'T 読みたいけど読めない人たち」の話です。 *マガジン全体の目次「町の書店を増やしたい」を考えるマガジンの目次|Bookstorist (note.com) 4-4.本:誰に読書をして欲しいのか(2)WANT but CAN'T 読みたいけど読めない人たち グラフを見ると読みたいけど読めな

          「町の書店を増やしたい」を考える  4-4. 本:誰に読書して欲しいのか(2)

          「町の書店を増やしたい」を考えるマガジンの目次

          1.増やしたいのか、減らなければいいのか 2.増やしたいのは「誰?」「何のため?」 3.「書店は地域の文化拠点であるから守りたい」を段階的に考えていく 4.本について 4-1.本:本を読む必要はあるの? 4-2.本:どんな風に読めばいいの? 4-3.本:読書離れについて考える 4-4.本:誰に読書して欲しいのか  (1) CAN but DON'T 読めるけど読まない人たち  (2) WANT but CAN'T 読みたいけど読めない人たち  (3) WANT but CA

          「町の書店を増やしたい」を考えるマガジンの目次

          書店の分類(仮)

          書店の分類(仮)

          「町の書店を増やしたい」を考える  4-4. 本:誰に読書して欲しいのか(1)

          前回の話を踏まえて、子どもというよりは大人を主に想定しながら考えていきます。 *マガジン全体の目次「町の書店を増やしたい」を考えるマガジンの目次|Bookstorist  4-4.本:誰に読書をして欲しいのか文化庁の「国語に関する世論調査」(平成30年度)の「読書量が減っている理由」を元に、誰に読書をしてほしいのか、誰にどのようなアプローチをしたらもっと本を読んでもらえるのかを考えていきたいと思います。 (もとから全然読書していない人が対象外のようになってしまいそうですが

          「町の書店を増やしたい」を考える  4-4. 本:誰に読書して欲しいのか(1)

          「町の書店を増やしたい」を考える  [4-3] 本:読書離れについて考える

          *マガジン全体の目次「町の書店を増やしたい」を考えるマガジンの目次|Bookstorist (note.com) 4-3.本:読書離れについて考える幸せな社会を実現するためのひとつの手段として、文化の向上を望むとき、そのまたひとつの手段としての読書を考えてきました。 この文脈から「誰に読書をしてほしいのか」と考えると、老若男女みんなのような気がします。文化というものは未来へ続くものなので、未来を担うという点では特に子供です。けれど、もちろん大人になっても読書をしていただ

          「町の書店を増やしたい」を考える  [4-3] 本:読書離れについて考える

          「町の書店を増やしたい」を考える  4-2. 本:どんな風に読めばいいの?

          *マガジン全体の目次「町の書店を増やしたい」を考えるマガジンの目次|Bookstorist (note.com) 4-2.本:どんな風に読めばいいの?(1)紙の本 or 電子書籍(何で読むのか。媒体の話) 本というと現在では紙の本ではなくて、電子書籍もあります。紙の本はもういらなくて、電子書籍になっていくのでは?という考えもあります。もう時代にそぐわないなどと言っている人も何名か見かけました。 仮に電子書籍だけで良いのならば「書店で紙の本を」買わなくても良い可能性が高

          「町の書店を増やしたい」を考える  4-2. 本:どんな風に読めばいいの?

          「町の書店を増やしたい」を考える 4-1. 本:本を読む必要はあるの?

          前回までのお話・・・1.増やしたいのか、減らなければいいのか 既存の書店と新しい書店(既存タイプも新しいタイプの書店どちらも)について考察しつつ、どちらも増えたらいいなというお話 2.増やしたいのは「誰?」「何のため?」 国や地域など社会全体のことを考えている人、出版業界で働く人、書店好き・本好きの消費者、の3つの視点に分けて考えました。ここから先は ------------------------------------------------------------

          「町の書店を増やしたい」を考える 4-1. 本:本を読む必要はあるの?

          「町の書店を増やしたい」を考える 3.「書店は地域の文化拠点であるから守りたい」を段階的に考えていく

          前回までのお話・・・1.増やしたいのか、減らなければいいのか 既存の書店も守りつつ、新規出店(既存タイプも新しいタイプも)も増えるといいなというお話。 2.増やしたいのは「誰?」「何のため?」 国や地域など社会全体のことを考えている人、出版業界で働く人、書店好き・本好きの消費者、の3つの視点に分けて考えました。 そして、ここから先は 「国や地域、社会全体のことを考えている人」が 「国力や国民の幸福度を上げるために、文化の向上を図るため」 文化の拠点としての書店を増やし

          「町の書店を増やしたい」を考える 3.「書店は地域の文化拠点であるから守りたい」を段階的に考えていく

          「町の書店を増やしたい」を考える 2. 増やしたいのは「誰?」「何のため?」

          前回までのお話・・・1.増やしたいのか、減らなければいいのか 既存の書店も守りつつ、新規出店(既存タイプも新しいタイプも)も増えるといいなというお話と、それぞれについての考えの整理を行いました。 また、町の書店を増やすには以下の2つのアプローチが必要そうだと考えています。 ①新規開店の様々なハードルを低くすること ②今ある書店も新しく開店する書店も、持続可能な仕組みや取り組みを考えていくこと 続いて、考えていきます。 ※このページは、思考を整理するための自分なりのノート

          「町の書店を増やしたい」を考える 2. 増やしたいのは「誰?」「何のため?」

          「町の書店を増やしたい」を考える 1. 増やしたいのか、減らなければいいのか

          最初に私は「町の書店を増やしたい」派です。もちろん! そしてこれは、世間一般でもよく見聞きする意見でもあります。 国としても、経済産業省が「書店振興プロジェクトチーム」を2024年3月5日に設置し、初の本格的支援に乗り出しました。(書店の減少は1990年代後半から始まっているので、30年もたってやっとですかという気もしますが。 追記:2016年に自由民主党による議員連盟「全国の書店経営者を支える議員連盟(書店議連)」が発足しており、2023年5月に提言をまとめています。 実

          「町の書店を増やしたい」を考える 1. 増やしたいのか、減らなければいいのか