パニック障害のはなし

大学時代、パニック障害になった。
当時の私は映画にハマっていてよく映画館に行っていた。レイトショーとツタヤの常連だった。

中でも虜になった俳優は、ポールベタニー、ウィノナライダー、イーサンホーク、満島ひかり、宮崎あおい、松田龍平、、
彼らの作品を片っ端から観ていた。スクリーンに映される彼らの美しさは、私の小さな世界にある嫌なことを洗い流してくれた。

いつもの夜、いつもの映画館、いつもの席。映画がクライマックスを迎える時、それはやってきた。血の気がひいた。急だった。急にドキドキしてきて、鼓動はどんどん早くなる。あれ、やばくないか。息ってどうやってするんだっけ。とりあえず席をたつ。
それが私とパニック障害の出会いであった。

劇場の出口で座り込んで過呼吸を起こす私。スタッフの人が声をかけてくれるが自分の鼓動の音で聞こえず、パニックがパニックを呼び過呼吸がどんどんひどくなる。結局救急車で運ばれた。足が震えていたことだけ覚えている。
病院に着く頃には症状はなく、「どこも異常ありませんおそらく精神的なもの」と診断されデパスをもらった。
精神的なもの。あんなに怖かったのに、本気で死ぬかと思ったのに。どこも異常がないなんて。

そこから発作はたびたびやってきた。授業中、バイト先、電車。
とうとう寝る時に一睡もできないくらい不安な夜が続いた。

心療内科に通うことにした。薬をもらった。そこからはだるさと吐き気の戦い。薬の副作用で太ったり痩せたりした。死んだような日々だった。

映画館には行けなくなった。発作が怖くて電車にも乗れない。

ふと気づいた。
あれ、私めっちゃ病人じゃん。できること限られてない?

とりあえず今日はここまで。
7年くらい前の話。なんで今書こうと思ったのか。また発作が出たからだ。
眠れない夜。各駅で降りる日々に戻りつつあるからだ。半年前までは普通だったのに。仕事もばりばりやって、恋とかしたりしていたのに。またどこかで続きを。

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