レティシア書房店長日誌
「生誕140年記念 石崎光瑶」特別展(京都文化博物館)
花鳥風月の日本画は色々観ましたが、この画家に鳥肌が立ちました。
石崎光瑶(1884~1947)は鮮やかな色彩、華麗なタッチで数多くの花鳥画を残しました。富山に生まれた光瑶ですが、19歳で京都に出てきて、竹内栖鳳に入門します。そして特筆すべきは、1916年から1年間かけてインドを旅し、さらにヒマラヤ山脈への登山を実行します。装備も貧弱だったあの時代にヒラヤマに登るなんて、なんと無茶な!(因みに1931年再度インドを訪れています。)民間パーティー初の剱岳登頂や、日本人登山家として初めてヒマラヤのマハデュム峰(3966m)に登頂に成功するなど、登山家としても知られていたのです。立山・白山をはじめとした北陸の山々、ヒマラヤで描き残した貴重な写生帖も展示されています。(京都文化博物館で11月11日まで)
もう一つ驚くべきことは、早くから伊藤若冲に注目して、彼の作品を各種雑誌に紹介するような活動も行なっていたのです。若冲の「鶏之図」の模写も展示されています。今回の展覧会では、光瑤の故郷にある南砺市立福光美術館(富山県)のコレクションを中心に、初期から晩年までの代表作を一挙公開されていて、光瑤の画業の全貌を見せてくれます。
で、私の鳥肌作品は、これです。
この躍動感、羽ばたきや鳴き声が聞こえてきそうです。かっこいい!としばし作品の前から離れられませんでした。
頭部を拡大したのはこの写真ですが、鋭い鳴き声がこだましそうです。華やかな花の絵も素敵なのですが、特に鳥を描いた作品群には圧倒されました。今にも、画面から飛び出しそうな勢いの鳥たちばかり。雨の中を飛び立つ鳥なんて、宮崎アニメのワンカットのようで、躍動感に満ちた作品ばかりでした。そう思って観ると、極めて現代的なタッチのように思えて、そのままアニメの美しい背景のようです。
猛禽類に襲われる瞬間の鳥たちを俯瞰で描いた作品の迫力にも度肝を抜かれました。ヒッチコックの映画「鳥」で、人間を襲う鳥たちを俯瞰で捉える印象的なシーンがありますが、あれに匹敵するのではないかと思いました。
こんな画家がいたなんて驚きです。展覧会は11日まで。京都の方、ぜひ観に行ってください。
●レティシア書房ギャラリー案内
10/30(水)〜11/10(日)菊池千賀子写真展「虫撮りII」
11/13(水)〜11/24(日)「Lammas Knit展」 草木染め・手紡ぎ
11/27(水)〜12/8(日)「ちゃぶ台 in レティシア書房」ミシマ社
⭐️入荷ご案内
GAZETTE4「ひとり」(誠光社/特典付き)1980円
スズキナオ「家から5分の旅館に泊まる」(サイン入り)2090円
「京都町中中華倶楽部 壬生ダンジョン編」(825円)
「オフショア4号」(1980円)
小峰ひずみ「悪口論」(2640円)
青木真兵&柿内正午「二人のデカメロン」(1000円)
創刊号「なわなわ/自分の船をこぐ」(1320円)
加藤優&村田奈穂「本読むふたり」(1650円)
オルタナ旧市街「Lost and Found」(900円)
孤伏澤つたゐ「悠久のまぎわに渡り」(1540円)
森達也「九月はもっとも残酷な月」(1980円)
小峰ひずみ「悪口論」(2640円)
オルタナ旧市街「Lost and Found」(900円)
TRANSIT 65号 世界のパンをめぐる冒険 創世編」(1980円)
SAUNTER MAGAZINE Vol.7 「山と森とトレイルと」
いさわゆうこ「デカフェにする?」(1980円)
「新百姓2」(3150円)
青木真兵・光嶋祐介。白石英樹「僕らの『アメリカ論』」(2200円)
「つるとはなミニ?」(2178円)
「ちゃぶ台13号」(1980円)
坂口恭平「自己否定をやめるための100日間ドリル」(1760円)
「ヴィレッジ・コード ニセコで考えた村づくりコード45」(1980円)
「トウキョウ下町SF」(1760円)
モノ・ホーミー「線画集2『植物の部屋』(770円)
モノ・ホーミー「2464Oracle Card」(3300円)