見出し画像

レティシア書房店長日誌

飯沢耕太郎『トリロジー冬/夏/春』刊行記念展&出版社「港の人」

 出版社「港の人」の社名は、詩人北村太郎さんの詩集『港の人』からもらったのだそうです。2002年に鎌倉の大町から事務所を移転し、海岸から歩いて10分ほどの由比ガ浜通りに面した場所で、丁寧な本作りをしている会社です。宮沢賢治「あたまの底さびしい歌」、石田千「窓辺のこと」、牧野伊三夫&石田千「月金帳」、そして今も売れている「胞子文学名作選」(書店販売なし/イベント会場のみの販売)などは当店のロングセラーです。
 

今回、写真評論家で、詩人として活躍中の飯沢耕太郎さんが詩集「トリロジー冬/夏/春」(サイン入数冊あり)を刊行された記念として、著者によるコラージュ作品、ドローイング作品を展示販売する企画展を開催することになりました。洒落たコラージュは、作者が自由に楽しんで作っていらっしゃるようで、音楽が聞こえてきそうです。飯沢さんのコレクションから写真家ロベール・ドアノーの「牛乳を買いに行く子供たち」(オリジナルプリント1934年/非売品)が特別出展されています。ぜひご覧ください。
 

コラージュ「どこにもいない男」

そして同時に、「港の人」の本を多くの人に知ってもらおうと、今までに刊行した書籍を店内いっぱいに並べました。短歌、川柳、俳句の作品に優れたものがたくさんある版元だけに、当店では一度も並んだことのないような本が並びました。
 「たのしいふゆごもり」、「もりのてがみ」などの名作絵本を出した片山令子の唯一のエッセイ集「惑星」もここから出ていたのですね!宮沢賢治を熱心に読んでいた頃、彼の「十力の金剛石」について書かれたエッセイをこの本で読みました。本当に素敵なエッセイ集です。(1980円)
 え!こんな作品集も出していたの!と手に取ったのは「荒木陽子全愛情集」(5500円)です。彼女が生前発表した文章のすべてが集まった労作です。
  

貴重な一冊もあります。奥能登に腰を据えて、農作業の合間に版画を作り、手作りの窯で焼き物を製作してきた江崎満のエッセイ集「星吐く羅漢」(2860円)です。もちろん、著者の躍動感溢れる版画作品も収録されています。版元には函がなく本体だけの販売です。京都在住の作家いしいしんじの小説もここから出ています。「からっぽの光」というタイトルで、五角形の綺麗な紙で包装されています。包装紙の色が二種類ありますので、お好きな方をお選びください。(サイン入り)
 「港の人」は、本当に素敵な本を出し続けている出版社なので、頑張っている姿をご覧いただきたいと思いこの展示を企画しました。この機会に手に取ってみてください。(展示は29日まで

●レティシア書房ギャラリー案内
9/18(水)〜9/29(日) 飯沢耕太郎「トリロジー冬/夏/春」刊行記念展
10/7(水)〜10/13(日) 槙倫子版画展

⭐️入荷ご案内
子鹿&紫都香「キッチンドランカーの本3」(660円)
おしどり浴場組合「銭湯生活no.3」(1100円)
岡真理・小山哲・藤原辰史「パレスチナのこと」(1980円)
GAZETTE4「ひとり」(誠光社/特典付き)1980円
スズキナオ「家から5分の旅館に泊まる」(サイン入り)2090円
「京都町中中華倶楽部 壬生ダンジョン編」(825円)
坂口恭平「その日暮らし」(ステッカー付き/ 1760円)
「てくり33号ー奏の街にて」(770円)
「アルテリ18号」(1320円)
「オフショア4号」(1980円)
「うみかじ9号」(フリーペーパー)
小峰ひずみ「悪口論」(2640円)
青木真兵&柿内正午「二人のデカメロン」(1000円)
創刊号「なわなわ/自分の船をこぐ」(1320円)
加藤優&村田奈穂「本読むふたり」(1650円)
オルタナ旧市街「Lost and Found」(900円)
孤伏澤つたゐ「悠久のまぎわに渡り」(1540円)

森達也「九月はもっとも残酷な月」(1980円)
小峰ひずみ「悪口論」(2640円)
オルタナ旧市街「Lost and Found」(900円)
TRANSIT 65号 世界のパンをめぐる冒険 創世編」(1980円)


いいなと思ったら応援しよう!