#西加奈子 #i #アイ
#西加奈子
#i #アイ
「この世界にアイは存在しません。」
この一言から物語はスタートします。
ここでいうアイ(i)は、虚数単位のことですが、
主人公の名前もまた「アイ」と言います。
アイはシリア生まれの女の子。
アメリカ人の父と日本人の母に養子として迎えられ、愛情たっぷりに育てられてきました。
裕福な家に迎えられ、愛や溢れる家庭で育てられ、恵まれた環境で生きています。
でも「恵まれている」ことに悩みを抱えています。
自分のルーツであるシリアでの痛ましいニュースや、
世界のあちこちで起こる悲劇、社会情勢、LGBT....
難しい話も多いけど、それを読者にさらっと伝え、
そしてアイと一緒に読者にも社会問題を考えさせる。
作家さんの伝える力って本当にすごいと思いました。
渦中の人々と恵まれている自分を比較して
恵まれてることに対して負い目を感じているアイは、数学の授業中に「アイは存在しません」という言葉を聞きます。
アイは自分が存在していいのか。
ずっと悩んできました。
「私はここに存在していいんだ」という自己肯定感。
アイには自己肯定感がないか、もしくはものすごく低いのです。
私とアイでは育った環境が全く異なりますが、
自分がここに存在しているのか?していいのか?
わからない気持ちは理解できます。
この本を読んで知ったのは、どんなに愛情を受けていても
「自分が存在していいんだ」という自己肯定感が得られないこともあるんだということです。
この世界で、アイは....
この世界で、私は....
その先は自分で、決めるしかないだと。
そう思いました。
アイと一緒に自分の存在について、すごくすごく考えて、悩み、今も心がグラグラ揺れています。
西加奈子さんの本。
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