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『脳マネジメント 脳を味方にして独自性と創造性を発揮する技術』秋間早苗
概要
現代の混沌とした時代、私たちの「脳」が抱える無意識の癖が、自らの可能性を閉ざしていることをご存知でしょうか?秋間早苗さんの新刊『脳マネジメント』は、その見えない足かせを解き放ち、自分自身の脳を「使われる存在」から「使いこなす存在」へと進化させるための指南書です。著者は20年以上、人間の潜在能力を研究し、その成果を本書にまとめています。無意識の反応パターンを意識化し、最適な選択を行う力やストレスを軽減する具体的な方法、新時代のリーダーシップの核となる技術が詰め込まれています。この本は、ビジネスリーダー、教育者、そして新たなステージへ踏み出したい全ての方に役立つ内容です。
本のジャンル
自己啓発、メンタル・マインドフルネス
要約
1. 現代の課題:VUCA時代を生き抜くために
VUCA時代とは、不確実性(Uncertainty)や複雑性(Complexity)が特徴の現代社会を指します。このような環境では、私たちは従来の考え方や行動パターンでは太刀打ちできなくなっています。本書は、外部環境だけでなく、私たちの内面、特に「脳の無意識の癖」が問題であると指摘します。たとえば、「自分にはできない」という思い込みや、変化を嫌う傾向が挙げられます。これらは脳の「省エネモード」が生み出すものであり、本書の目的はこれを克服するための「脳のマネジメント方法」を提供することです。
2. 脳の「省エネモード」と「自家発電モード」
人間の脳はエネルギー消費を抑えるため、省エネモードに陥りやすい性質を持っています。省エネモードでは、決まったパターンに従い、新しい情報や変化を避けようとします。この結果、「どうせ無理だ」という感情や、現状維持を優先する選択が増えます。一方で、本書が提唱する「自家発電モード」は、自分でエネルギーを生み出し、行動を促進する状態です。このモードに切り替えるためには、無意識の反応パターンを意識化し、自分の選択肢を広げる必要があります。
3. 脳を使いこなすための3ステップ
ステップ1:気づく
まず、脳の癖や自動的な反応に気づくことが大切です。本書では「刺激と反応モデル」を使用し、自分の反応を観察する方法を紹介しています。たとえば、上司から注意されたときのイライラを例に、自分の感情の原因が「他人の評価を気にすること」にあると気づくことができます。この「気づき」が、脳を変える第一歩です。
ステップ2:働きかける
次に、自分の望ましい状態に向けて行動を起こします。たとえば、「自分にはできない」というネガティブな言葉を、「今は難しいけど努力次第で成長できる」という前向きな言葉に言い換えることで、自己効力感を高めます。言葉だけでなく、行動や環境も整えることが重要です。
ステップ3:体現する
最後に、新しい行動や思考を繰り返すことで、脳に定着させます。これにより、行動が自然な習慣となり、無意識に前向きな選択ができるようになります。このプロセスは、スポーツ選手がトレーニングで身体に動きを覚えさせるのと同じです。
4. リーダーシップと脳マネジメント
本書は、個人だけでなく、チームや組織のリーダーにも応用できる内容です。リーダーとして、チームメンバーの潜在能力を引き出し、創造性を発揮させるには、まず自分自身が脳を使いこなせるようになる必要があります。たとえば、メンバーが直面する課題に対して、「どうすれば解決できるか」を共に考えるホリスティックな視点を持つことで、チーム全体が成長します。
まとめと感想
『脳マネジメント』は、現代の混沌とした時代において、自分の脳を制御し、行動を起こすための実践的な方法を提供してくれます。特に「省エネモード」と「自家発電モード」という概念は、日常生活や仕事の中で簡単に応用できるものであり、多くの人が直面する「どうしてもうまくいかない」という課題に対する具体的な解決策を示しています。
この本を読み終えたとき、自分の中に眠っている可能性に気づき、それを解放する力を手に入れられるでしょう。新刊であるためリンク先の評価はまだありませんが、内容の充実度や実用性から多くの読者の支持を得るのは間違いありません。「自分には無理だ」と思っている方にこそ読んでほしい一冊です。
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