『ずるい考え方』木村尚義
概要
『ずるい考え方』は、問題解決の新しい手法「ラテラルシンキング(水平思考)」を活用して、効率的に物事を進めるためのヒントを提供する本です。著者の木村尚義は、常識にとらわれずに発想することで、時間やお金をかけずに目的を達成する方法を提案しています。ラテラルシンキングとは、論理的に物事を考えるロジカルシンキングとは異なり、既存の枠にとらわれず自由な発想をする考え方です。日常生活からビジネスシーンまで、さまざまな場面で役立つ思考法を、実例を交えてわかりやすく解説しています。
本のジャンル
自己啓発、ビジネス、ライフスタイル、ポジティブシンキング
要約
『ずるい考え方』では、ラテラルシンキング(水平思考)という柔軟な発想法が紹介されています。この思考法のポイントは、問題解決のために既存のルールや常識に縛られず、自由な発想でアプローチすることです。たとえば、飲み会で誰もやりたがらない会計係を自ら引き受け、支払いを自分のクレジットカードで行い、ポイントをためるといった「ずるい」アイデアが挙げられています。著者は、こうしたアイデアを「ずるい」と呼びますが、その意図は周囲を驚かせる新しい発想であり、ネガティブな意味ではありません。
ラテラルシンキングには3つの特徴があります。一つ目は、「前提から自由になること」です。常識やルールに縛られず、問題の本質に目を向けて考えることが求められます。たとえば、アーチェリーで的中率を上げる方法として、矢を当てる標的を大きくするという発想もラテラルシンキングの一例です。次に、「問題解決の最短ルートを見つけること」です。たとえば、遠くの現場に急ぐ際に、通常の交通手段ではなくヘリコプターを使うことを検討するようなアプローチです。そして、三つ目の特徴は「お金や時間を節約できること」です。大阪万博で入場者の安全を守るために案内図を配布し、走る観客を減らした例が示されています。
さらに、ラテラルシンキングが重要な理由として、私たちの教育や日常生活では、論理的思考(ロジカルシンキング)に重きを置きすぎており、柔軟な発想を忘れてしまう傾向がある点が挙げられています。これにより、アイデアの幅が狭くなり、発想の貧困に陥ってしまう危険があります。ラテラルシンキングを身につけることで、日常の問題解決や新規ビジネスの創出において有利になります。
ラテラルシンキングを鍛えるために必要な3つの力として、「疑う力」「抽象化する力」「セレンディピティ」が紹介されています。「疑う力」は、常識や固定概念を疑うことで、斬新な発想を生み出す鍵となります。「抽象化する力」は、物事の本質に焦点を当て、具体的な要素を切り離して考える能力です。最後に「セレンディピティ」とは、偶然の発見をチャンスに変える力を意味し、思いがけない状況から価値を引き出すことです。
これらのスキルを活用することで、問題解決の効率が大幅に向上し、新しいアイデアを生み出す力が高まります。
感想とまとめ
『ずるい考え方』は、日常生活やビジネスのさまざまな場面で役立つ実践的な思考法を学べる一冊です。ラテラルシンキングの導入により、固定観念から解放され、柔軟な発想で効率的に問題解決できるようになるでしょう。著者の具体例を交えた説明はわかりやすく、実際に応用するためのヒントが詰まっています。今までのやり方に固執せず、新しいアプローチを試したいと考える方には特におすすめです。思考の幅を広げ、より充実した生活を送りたい人は、ぜひ本書を手に取ってみてください。リンクから本書を購入し、実生活で役立つ「ずるい考え方」を習得しましょう。
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