プロレス妄想対談「NJCで我々が見たいカード及びその結末」!!(前編)
”書店員界のケンドーカシン” ”読メフェイマス” "「SUI」編集長”のY2K☮です。
「SUI」のコンテンツで「粋でいなせなプロレス妄想座談会」というのがあります。あれは3人の座談会なのですが、今回は2人の対談で現在開催中の新日本プロレス「NEW JAPAN CUP」で実現して欲しいカードとその結果を大妄想していきます!!
Y:お借りしたトップ画像(ありがとうございます!)でネタバレですけど、私は「SANADA vs ザック・セイバーJr.」ですね。もう何回もやってますけど、今回が一番いい試合になりそうだなって。
O:無観客だから?
Y:ええ。去年のG1とか今年の1.4も良かったけど、「こういうのがいいんでしょ?」というマーケティングリサーチ的に客受けを計算したあざとさも感じたんです。あれだと見たいものが見られた喜びは味わえるけど、その先のナマの驚きまでは到達しない。フィニッシュも意外性に乏しいというか。
O:もう少し斬新なものを表現して欲しい、と。
Y:ええ。期待通りというか最低限見せてもらえるだろうと思っていたクオリティーは毎回クリアしてくれていて、それは本当に素晴らしいしありがたいことです。でも今回はそこを超えたいい意味での裏切り。彼らの頭と感性と技術ならそれを生み出せると思うんですよね。
O:俺は2年前のG1後楽園でやったのが一番好きだな。SANADAの「頭から落とすだけがプロレスじゃない」発言ばかりが注目されたけど、試合時間は10分ちょっとだし、ロープ飛ばない、飛び技使わない。場外乱闘や乱入、テーブルや椅子もなし。14年のG1で名勝負になった鈴木みのる vs AJスタイルズを更にソリッドにした、いわば砂糖も脂も卵すら使わないノンファットプロレスだったよな。
Y:スタイルが似てると大雑把に括られがちですけど、SANADAのはあくまでも上を取るというか相手より優位なポジションを奪って体力を削る、いわば王道プロレスにおける序盤のグラウンドレスリングですよね。一方のザックは常に関節を極めようとするスタイル。隙あらば終わらせちゃうよのU系に近い感じ。実際SANADAは基本フォール狙いでザックは完全にギブアップ狙い。ただSANADAもスカルエンドでフィニッシュを取る時もあるし、ザックもヨーロピアン・クラッチやザックドライバーで3カウントをかっさらうケースもある。この対照性に興味をそそられるんです。
O:武藤敬司と鈴木みのるの三冠戦を思い出すな。殆どグラウンドの攻防だったけど、最終的には武藤はフォール狙いでみのるはギブアップ狙い。と見せ掛けて、武藤は腕十字というナイフを隠し持っているし、みのるにもゴッチ式パイルドライバーがある。今のみのるはフィニッシュがほぼパイルドライバーだけになってるけど、やっぱり時々は関節を瞬時に極めちゃう試合も見たいな。まだ序盤だと思って油断してると終わらせるぞ、と。
Y:私のイメージだと藤波さんと藤原さんのレスリングですね。ブロッコリーと芽キャベツみたいなもので、パッと見は似ているけど別物、でも実は元々のルーツが一緒だからやっぱり合うという。
O:ファイトスタイルやプロレスに対する考え方の近い者同士で当たると一定以上のクオリティーは期待できるけど、逆に想像の範疇を超えた名勝負にはなりにくい。意外に盛り上がらないことも多い。俺は好きだけど、最近だと2年前のスーパーJrのKUSHIDA vs SHOとか。棚橋とSANADAの試合もそれに近いかな? 面白いけど語り継がれるほどではない。むしろ一見正反対の水と油なのが蜘蛛の糸ほどのチャンネルで繋がると不思議なスイングを生むんだよな。全日本プロレスで少し前に横須賀ススムと佐藤光留の世界ジュニア戦があって・・・
Y:それをまさに今言おうとしたんです(笑) ススムは関節技の攻防がさほど得意ではない選手だけど、何とか自分の持っている技術で対応していて。その辺の微妙に噛み合ってないのをどうにか通そうとしているゴツゴツ感が生々しくて、より戦いのリアルや必死さが伝わってくる。あれはキャリアの成せる業ですよね。
O:おい、大丈夫か。全然NJCの話じゃなくなってるぞ(笑)
Y:あ、すいません。ちなみにもしSANADAとザックの組み合わせが実現したら、勝者はSANADA! フィニッシュは……スカルエンドの改良版! そう、あのザックからまさかのギブアップを奪うと。じゃあ後編ではOさんの見たいカード行きましょう!
O:俺の見たいカード? 決まってるだろ。あれしかないよ。俺の妄想における決勝戦の……(以下後編に続く)